こんな授業!どんなゼミ?
「朝鮮古代の文化と社会」(オープン教育センター)

文学部3年 宝利 大輔
先進理工学部4年 藤田 晃紘


文化から見る日本と朝鮮半島

 李成市先生の朝鮮古代の文化と社会は、少人数のゼミ形式のもので、最初に先生が学生一人一人に朝鮮半島の文化や歴史に関して興味を抱いていることを聞くところから始まった。そしてそれぞれの関心のあるテーマに合わせて先生が講義を行い、参考になる文献を提示して頂き、それらをもとに発表を行うというスタイルをとる。その中で、私は、韓国を訪れた際に疑問に思った文化の違いについて先生に話してみた。それは、ずばり“朝鮮半島の箸(はし)や食器について”であった。その話を聞いた先生は、『HOMINIDS』誌に掲載された「手持食器考-日本的食器使用法の成立-」(内山敏行)という論文を私に示してくれた。その論文には、日本と朝鮮半島の「食事の作法」の違いについて触れられていた。日本では食事の際、食器を手に持ち食事をすることが作法とされているのに対して、朝鮮半島では食器を手に持って食べることは無作法とされていた。そのため、朝鮮半島では日本と比べて長い箸を使うというものであった。
 このようにただ旅行に行くだけでは、気が付かないような些細な文化の違いに目を向けると、その国に根ざした深い文化を知ることができることを今回の李先生の講義で痛感した。

(宝利 大輔)

研修旅行
▲先生と訪れた研修旅行

古代から「私たち」を考える

 皆さんは、「檀君(だんくん)神話」をご存知だろうか。ごく簡単に説明すれば、檀君神話は朝鮮開国や朝鮮民族成立にまつわる重要な神話である。私自身この授業を受講する前まで、このような神話の存在を知らなかった。また、朝鮮古代史自体にそれ程の興味を抱いていたわけではない。しかし本授業を受講してみると、朝鮮古代史やその研究過程への関心は強まるばかりだった。その理由には、まず李先生の存在が挙げられる。朝鮮研究の第一人者である李成市先生から、朝鮮古代史の概説はもちろん日本と朝鮮の関係についても、詳細に学ぶことができた。また、日本の統治時代や戦後の朝鮮古代史の研究過程、文化人類学的視点から国家の成立に関してなど、多角的に学べる点も朝鮮古代史への興味を引き立てた。
 そして、この授業を受講すれば、日本と朝鮮の関係を現在から起点して学ぶ必要性を痛感せざるを得ない。過去の歴史を現在の視点から振り返ることは、現代の混沌とした日韓・日朝の関係の在り方に、一石を投じることができるのではないかと感じた。

(藤田 晃紘)

 

1234号 2010年12月2日掲載