こんな授業!どんなゼミ?
「社会心理学」  ~人間の行動をあばく~

文学部3年 下山 恵


 「日本人とアメリカ人ではどちらが人を信頼するだろうか?」多くの人は一見、調和を重んじる日本人のほうが人を信頼するように思うのではなかろうか。しかし調査の結果はアメリカ人であった。アメリカ人は日本人より「ほとんどの人は基本的に正直である」、「ほとんどの人は信頼できる」などの質問に対し賛成の度合いが高かったのである。それはなぜだろうか?

 この現象は「安心の日本、信頼のアメリカ」という言葉で表せる。アメリカは流動性が高い社会である。したがってさまざまな人を信頼して関係を築くことがビジネスチャンスを広げる上では効率的なのである。それに対し日本は内輪を大切にする社会である。このような社会では決まった人とだけ安定した関係を築けば良いので、部外者を信頼する必要性が減少する。

 このように社会心理学では政治、経済、経営、日常生活などの社会的状況における人間の知覚、認知、判断、意思決定、行動の仕組みの解明を目指している。心理学が社会のさまざまな面に応用できることが明らかになる内容である。

 この授業の担当である竹村先生は京都出身で、関西弁で話される。先生の話し方はとてもパワフルで熱気に溢れ、受講者を魅了する。授業には受講者同士のディスカッションもある。近くの学生と2〜3人のグループになり、先生が説明された理論について日常生活の具体例を挙げたりする。最初は慣れないかもしれないが、さまざまな意見が出てとても盛り上がる。社会心理学だけでなく、ディスカッションの能力や自分の意見を相手に伝える能力、人前で話す能力など、学生生活はもちろん就職してからも役立つスキルが自然と身につく。

 抜き打ち小テストやレポートなども数回行われるが、内容が濃い分、新しい発見と自身の成長が感じられ、私は毎週この授業が楽しみである。まだ受講していない方にはぜひ受講していただきたい大変価値のある授業である。

気さくなトークが持ち味の竹村先生
▲気さくなトークが持ち味の竹村先生

筆者手前
▲社会心理学」のテキストと講義資料
 出典:亀田達也・村田光二 1999年
「複雑さに挑む社会心理学」有斐閣アルマ

 
1227号 2010年10月14日掲載