こんな授業!どんなゼミ?
「議員リクルートメントの比較ジェンダー学」
誰が何を代表するのか?

社会科学部3年 石原 昂(たかし)


 「議会の中での男女比率が社会の比率と一致しなければならないのであろうか?」「そうだとすれば、それは何故なのか?」このような問題を、主に日本・アメリカ・イギリスを比較し、選挙制度、政治システム、歴史などの視座から考察するのがこの講義である。

 2005年に続き、2009年の第45回総選挙においても、女性衆議院議員比率が過去最高となった。しかし、日本の女性議員の比率は国会でも地方議会でも、先進民主国の中で際立って低いのだ。政界や経済界での女性の活躍度を示すUNDP発表の「GEM(Gender Empowerment Measures)」、さらに男女の格差の度合いを指標化した「世界経済フォーラム」のGender Gap指数でも、日本が低い位置にあるのは、議会における女性議員比率の低さに原因があるとされている。

 この講義は今村浩先生など3名の教授が担当している。最初に今村先生が担任する部分のテーマは、女性が人口に占める比率と等しい比率で議会に代表されるべきなのか、だとしたらそれは何故か、である。また、選挙制度と女性議員比率の関係についても触れられる。続く秋本富雄先生と中林美恵子先生の担当部分では、イギリスとアメリカにおける女性の政治進出の歴史と現状が解説される。イギリスにおいては、政党の候補者選定が女性議員の増加に大きな役割を果たしていること。それと対照的にアメリカの女性議員は、独力で議員への道を進むという比較の視点はとても興味深かった。例えばアメリカの現状について講義された中林先生は、議会補佐官として米国上院議会に勤務し、アメリカの立法に実際に携わった経験がある(現在は衆議院議員としてご活躍されている)。

  議会政治にとって本当に重要とすべきは、ジェンダーではなく、アジェンダなのである。女性議員数の増加はなぜ重要なのか?一部の女性政治家にこれほど注目が集まるのはなぜか?と感じている人に、ぜひお奨めしたい授業だ。

社会科学総合学術院 今村 浩 教授
▲社会科学総合学術院 今村 浩 教授

盛りだくさんのテーマが聞ける!
・女性の比例的代表の根拠
・我が国における女性の政治参加の歴史
・現代日本の女性議員
・英国における女性議員
・欧州における女性議員
・米国における女性議員リクルートメント
・現代米国の女性議員


 
1223号 2010年7月8日掲載