スダディ・アブロード 連載「ぐろーかる・らうんじ」は「スダディ・アブロード」に名称変更しました

タジキスタンからWASEDAへ

商学研究科 修士課程2年
ノジマ・ヌルムクハメトヴァさん

ノジマ・ヌルムクハメトヴァさん

 ノジマ・ヌルムクハメトヴァさんは首都ドゥシャンベの日本大使館に勤務し、文化交流事業や活動開催などを担当していた。日本のアート作品の展覧会企画をはじめ、生け花教室なども企画・運営した。身近にあるアニメ、映画、雑誌などを通じて日本に興味を持った。「いまだに多くの人が私の母国『タジキスタン』という存在すら知らないのです。現在日本に滞在するタジク人は20人程度だと思います」。

 来日して本学に入学したのは2008年4月。不慣れな日本の暮らしは意外なこともたくさんあったが、すぐ馴染めたという。「タジキスタンは平均標高が800m以上ある高山地帯です。日本のように湿気の多い環境、特に6月は雨が多くてゆううつな気分になることもありました」。しかし一番びっくりしたのは、通学の際の「満員電車」だった。「混雑が激しく、何本も電車を待たなければ乗れないので驚きました! タジキスタンには日本のような電車は走っていないので(笑)」。

 ノジマさんは現在、日本のビジネスや経営学を学んでいる。将来は自国の経済発展に貢献したいと考えている。「タジキスタンは独立後、5年間に及んだ長年の内戦で国が荒廃し、教育制度はおろか貧困の状態にある農村も多数あります。失業率を把握できないほど、仕事がない状況なのです」。国内外への渡航も制限が多く、隣国ウズベキスタンにいる父親に会いに行くのも大変なのだと話す。

 現在はアメリカ、カナダ、日本のビジネスモデルなどを、ケーススタディとして学んでいる。「実はタジキスタンには、成功事例として学べる企業や産業がひとつもないのです。産業や企業が根付いてくれるような分野や勉強なら、どんなことでも真剣に学びたいと考えています!」。

 帰国後はコンサルティング会社を設立し、自国のビジネスチャンスの振興に努めたいと考えている。「多くの人々に仕事を提供できる機会と場を提供したいのです。そしてもちろん子どもたちの教育も充実させなければいけません」。タジキスタンの未来に燃えるノジマさんを応援したい。

パミール高原には美しい泉が多い
▲パミール高原には美しい泉が多い


タジク人の伝統衣装
▲タジク人の伝統衣装


タジキスタン地図

 
1221号 2010年6月24日掲載