わせだかいわい 

「本学芸術学校・川口芸術学校 卒業制作上映会」が開催された
早稲田松竹映画劇場

名画座の魅力!
 2002年にリニューアルオープンした早稲田松竹映画劇場は、最近では数少なくなった“名画座”。新作の代わりに、ロードショーが終了した映画や過去の名作を厳選し、2本立てで上映する。学生が授業の合間に来られるよう、当日に限って再入場できる制度もある。

 芸術学校・川口芸術学校の卒業制作上映会も、例年、同所で開催されてきたため、映画制作を志す学生にもなじみのある場所だろう。早稲田松竹映画劇場の菊田眞弓支配人は、本学学生の会「早稲田スポーツ新聞会」が編集・発行する『早稲田スポーツ』への広告掲載などを通し、学生との縁を実感してきたという。「ずっと早稲田の学生さんとのつながりを感じていました。一緒に何かやりたいと考えていた時、上映会のお話をいただきました」と感慨深げ。

 名画座の魅力は見逃してしまった作品や、もう一度観たい映画をスクリーンで堪能できるのはもちろん、2本立ての場合、思わぬ出合いがあるところ。「2本立てのうちの1本を目当てに来て、もう1本はそのついでに観ることがあります。しかし実際観たら『ついで』の1本の方が良かったという話も聞きます。食わず嫌いで敬遠していた作品が意外と面白いといった、新たな出合いがあるかもしれませんよ」と菊田支配人はほほ笑んだ。

卒業制作に懸ける思い!!
 2009年度の卒業制作上映会は3月16日に開催された。例年、芸術学校と川口芸術学校の合同だったが、2009年度は、それぞれ独立した上映会として実施した。

 川口芸術学校の卒業制作上映会実行委員長を務めた渡邊洋子さん(今春卒業)は「早稲田松竹で自分の映画を流したくて川口芸術学校に入学する人もいます。それくらいこの劇場での上映は学生にとってうれしいこと」と明かす。渡邊さん自身は法政大学を卒業後、広告代理店勤務などを経て入学した。「私たちのイベントの魅力は、社会人経験のある人から高校卒業後すぐに入学した人まで、さまざまな人がいる点。みんなの思いをくんで一つのイベントをつくり上げるのはやりがいがありました」。4月からイベントのプロデューサー職に就き、映画祭にもかかわりたいと意欲的だ。

 芸術学校の卒業制作上映会実行委員長の中尾大輔さん(今春卒業)は映画の魅力について「演劇や小説と異なり、舞台やページといった特権的空間をもたない映画は、厳しい現実にさらされる我々の人生そのもの。それゆえ、役者の生きた身体を通して発信される言葉は、音声や活字よりも心に響く」と語る。今後は、出身地の佐賀県で大規模な映画制作に挑む。「最近は当り障りがなく、極私的なことを扱った映画が多い。もっと人を動かす“生の力”を秘めた、人間のエネルギーが発露するような映画が必要。一日本人として、時代と人間を鼓舞する映画を撮り続けたい」と映画に懸ける思いは人一倍強い。

 巣立った卒業生の映画が“名画”として、早稲田松竹映画劇場で上映される日を期待したい。




早稲田松竹映画劇場の菊田支配人。好きな映画は『リトル・ダンサー』
▲早稲田松竹映画劇場の菊田支配人。
好きな映画は『リトル・ダンサー』


早稲田松竹映画劇場の菊田支配人。好きな映画は『リトル・ダンサー』
▲卒業制作ではバスケットボール女子実業団選手の
ドキュメンタリーを手掛けた渡邊さん


映画を通して「21世紀に生きる人間の希望の在りかを模索したい」という中尾さん
▲映画を通して「21世紀に生きる人間の希望の
在りかを模索したい」という中尾さん


早稲田松竹映画劇場地図

 
1212号 2010年4月15日号掲載