アメリカ南部の文化研究の楽しみの一つは、さまざまなジャンルの音楽、つまり、ジャズ、ブルース、カントリー、霊歌、ゴスペル、ロックンロールと呼ばれる南部音楽を扱うことが、単に趣味を語っているという後ろめたさを感じることなく、学術的な意味をもたせてくれる点にある。「カントリーミュージック」は「白人音楽」、「霊歌」は「黒人音楽」の代表格のように見なされがちであるが、実は、それほど単純に境界線を引くことは出来ない。レコード会社、レコード店、最近は音楽ダウンロードでの販売をする際に、単純なジャンル分けをした方が購買者にとって分かり易いし、利益が上がるという経済効率でもってそのように言われているにすぎないのである
「人種」というカテゴライゼーション、即ち「白人」「黄色人種」「黒人」といった分類は、今では生物学的にも、ほとんど意味をなさない
バラク・オバマ大統領の母親はいわゆる「白人」であり、父親はケニア出身である。異母妹はインドネシア生まれで、彼自身は、ハワイとインドネシアの多文化環境で育った。にもかかわらず、「最初のアフリカ系アメリカ人大統領」と言われるのはなぜか。それは、「白人」の視点から語られているからなのだ
大統領であろうが無名の音楽家であろうが、人は、そもそも「人種」でもって分類すべきではない。マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を借りれば、「個人の資質でもって」判断すべきなのである。それが早稲田からWASEDAになる大前提であろう。 (JMV) |