現場レポート 

早稲田の学問

政治経済学部2年 市川 摩湖


 私は「早稲田祭2009」で「早稲田教授ゼミ博 ~教えて大隈先生~」というアカデミック企画を実施した。これは、高校生をメーンターゲットに、学問の難解なイメージを払拭し、早稲田の学問の魅力を伝えることを趣旨とした企画である。

 この企画を立てた背景には、私の抱いている勉強に対するイメージがあった。家庭教師のアルバイトをしている私は、かねてから勉強嫌いの高校生を見てきて、勉強っていやなものなのか、と不思議に思っていた。私にとって勉強はおもしろいものだったからだ。その思いは早稲田に入ってより強くなった。早稲田ではさまざまな分野の研究が行われていて、高校まで「勉強は5教科」と考えていた固定観念が嘘のようだった。政治学や芸術論や映像論などさまざまな分野の講義を聴き、あらためて大学の学問はおもしろいと思った。しかし、「学問はおもしろい」という考えは、一般にはあまり理解してもらえないものだ。私が担当する高校生たちも口をそろえて「勉強が嫌い」と言う。そんなイメージを変えたくて、この企画を実行しようと決めたのである。

 賛同してくれる友人や後輩でチームを作り、5月からこの企画の準備を進めてきた。教授の方々や各学部のゼミにも出演交渉をし、わかりやすく楽しめる形式で研究発表を行ってくれないかお願いをして回った。その結果21の教授・ゼミが参加してくれることになった。当日はほぼ満員になり、「早稲田祭2009」2日間で約1,000人が来場した。ゼミ生や教授に熱心に質問する人たちも見られ、早稲田の学問の魅力を少しでも伝えることができた、とチームメンバー一同感激した。ゼミ生や教授の方々も口々に参加できてよかったと言ってくれて、この企画を行って本当によかったと思った。

 この企画を通して支えてくれる周囲の人のありがたさがよくわかった。チームのみんな・参加してくれた教授の方々やゼミ生・応援してくれた家族・友人。一人でつっぱしりやすい私だが、周囲の人のおかげでなんとかこの企画は成功したように思う。この企画にかかわった全ての人に感謝している。

 また、元来私は祭り好きなのだが、やはり企画というものが本当に好きなのだなと実感した。大規模な企画ではなかったけれど、自分の「学問はおもしろい」との考えを来場者に伝えることができて、本当に嬉しかったからだ。将来のことはまだわからないが、この企画の経験を生かして、企画を通して人に何かを伝えられるような職業につけたらなと考えている。


スタッフと企画に協力していただいた高橋透・文学学術院教授(筆者は2列目左端)
▲スタッフと企画に協力していただいた高橋透・文学学術院教授
(筆者は2列目左端)



企画の実現に向けて打ち合わせ中の筆者(正面右側)
▲企画の実現に向けて打ち合わせ中の筆者(正面右側)

会場の様子
▲会場の様子

 
1206号 2009年12月17日号掲載