進路選択物語 

きっと正解

法学部(2009年3月卒業) 野上 小夜子
進路:東京法令出版

 

 「マスコミに行きたい」。漠然とそう思っていた私は、3年の8月には新聞社のインターンシップに参加し、9月からは説明会などにも足を運んでいた。そして、10月にはテレビ局を受験…。とにかく動いていないと不安で気付けば受けた会社は70社にも及んでいた。
 しかし、4月の半ばを過ぎても内定は一つもなかった。何がいけないのかもよくわからない。ひたすら辛いだけの就職活動だった。
 そんなときに出会ったのが、250人程度の中規模な法律系出版社だ。会社説明会の後に、「良かったら会社訪問しませんか?」という丁寧なメールを頂き、心が動いた。とりあえず訪問だけでもしてみよう。そう思い、返信した。
 会社訪問では、社員の方が日々の仕事について具体的に教えてくれた。また、話は仕事だけでなく私が所属している演劇サークルの話にまで及び気付けば2時間も経過していた。
 「この会社いいかも…」。その気持ちが通じたのかもしれない。今までの苦労が嘘のようにすんなりと試験をパスすることが出来た。
 こうして、今の会社で働き始めてはや8カ月。最近になって自分の担当も決まった。「犯罪被害者支援必携」「ビクティム・サポートマニュアル」「被害者参加・損害賠償命令制度の解説」…。学生時代は見たことも聞いたこともない本ばかりだ。しかし、新しいことを知るのは単純に面白いし、弁護士の先生やNPOの方など今まで全く接点のなかった方々と話すのはもっと面白い。
 もちろん、まだまだ仕事は分からないことだらけだ。日々後悔することも多い。先輩にくっついて取材に行っても満足に聞きたいことが聞けないこともある。専門用語が飛び交う会話で付いていけないことも多い。
 それでも、周りを見渡せば何か聞かれるのを待っているかのような先輩たちもいる。また、話に聞くような嫌な上司や“お局様”もいない。「この会社でよかった」…。決して口に出しては言わないが、今日も私はそんなことを考えながら働いている。

卒業公演にて。前列中央が筆者。
▲卒業公演にて。前列中央が筆者。


演劇サークルの集合写真。中央左が筆者
▲演劇サークルの集合写真。中央左が筆者


卒業式にて。左から2番目が筆者。
▲卒業式にて。左から2番目が筆者。

 
1204号 2009年12月3日掲載