第二回 早稲田大学坪内逍遙大賞 多和田  葉子氏に決定! 奨励賞は木内  昇氏に

 今年で2回目となる第二回早稲田大学坪内逍遙大賞の授賞式が11月13日(金)、リーガロイヤルホテル東京で開催された。大賞の多和田葉子さん、奨励賞の木内昇さんには白井総長から賞状とメダル・賞金が贈呈された。会場には出版関係者など学内外多くの人が参加した。

大賞 多和田 葉子さん
 1960年東京生まれ。東京都立立川高等学校卒業。本学第一文学部(ロシア文学専攻)卒業。2000年、チューリッヒ大学より博士号を取得。1982年ドイツに渡り、以来ハンブルク、ベルリンを中心に日独バイリンガルで、執筆や朗読活動を続けている。主な著作に『かかとを失くして』(1991)、『犬婿入り』(1993)、『ヒナギクのお茶の場合』(2000)、『球形時間』(2002)、『容疑者の夜行列車』(2003)など。日本、海外で多くの賞を受賞している。最新作は『ボルドーの義兄』(2009)。
受賞の言葉より
授賞理由
 多和田氏の創作は、日本とドイツのどちらでも高く評価されている。『旅する裸の眼』のように二言語で平行して作品を書くなど、日本文学史上ほとんど前例のない日独バイリンガル作家である。文学に新しい越境的な領域を切り拓き、日本語の枠の中に閉ざされがちな日本文学の境界を押し広げた。それは実験的でありながら、深く人間的な21世紀の文学と言える。

奨励賞 木内  昇さん
 1967年東京生まれ。中央大学文学部(哲学科心理学専攻)卒業。出版社勤務を経てフリーランスに。主な著作に『新撰組幕末の青嵐』(2004)、『地中鳴く』(2005)、『茗荷谷の猫』(2008)、『浮世女房洒落日記』(2008)など。
受賞の言葉より
授賞理由
 木内氏は独特の味わいをかもし出しながら、しっかりとした存在感を示している作家である。『茗荷谷の猫』は幕末から昭和30年代までにわたり、江戸・東京の町と人々を幻想的に描き出している。木内氏がまるでその時代にタイムスリップし、その内部から小説を書いているような、これまでになかった時代小説・歴史小説を書いている。時代小説だけでなく、新しいタイプの幻想的な作品をも今後、生み出していけるであろう。 
早稲田大学 坪内逍遙大賞とは?
 
1204号 2009年12月3日掲載