頑張れ☆早稲田スポーツ  

『伝統の重み、ただ一撃にかける』

剣道部主務 政治経済学部4年 武脇 直樹

 

 「剣道」には日本の伝統的武道というイメージがある。まさにその通りだ。その中でも大学剣道界における早稲田大学の伝統は長く、そして重い。

 毎年男女合わせて十数名の部員が日本一を目指して入部してくる。高校時代に華々しい成績を残している者、大学で一花咲かせたい者、高校時代環境に恵まれなかった者など各々が違ったバックグラウンドを持つ。入部当初はあどけなさが残る部員も引退間際になれば皆精悍な顔つきになる。その理由は簡単だ。4年生になり、過去の先輩方が築き上げてきた早慶戦という伝統に直面し、真の早大剣道部員へと変わっていくからである。

 剣道は他の競技と違い試合時間が極端に短い。大学生の試合だと4~5分で勝負が決する。時には数秒間で勝負が決してしまう事もある。その数分間に一撃を繰り出すため何千、何万回と竹刀を振り、足を動かし、自らを極限まで追い込むのが剣道である。

 男子部員は毎年50~60人在籍している。そのうち早慶戦に出られるのはわずか20人。これは数字で見る以上に厳しい。4年間、早慶戦における5分間の為だけに努力する部員がいると言っても過言ではない。何故、それほどまで早慶戦にこだわるのか。私はその理由を伝統と考えている。早慶対抗剣道試合は今年で74回目。全日本大会よりも、関東大会よりも歴史が長い。その歴史の1ページにかすかな足跡を残すと考えただけでも試合当日は全身の血の気が引き、逃げ出したくなる衝動に駆られる。野球、ラグビー、サッカー。どれも早慶戦は華々しく、早稲田においてはお祭りムードさえ漂う。そんな中地味な剣道に熱い思いをかける剣士がいる。学生もOB・OGも関係ない。全員が試合に夢中になり、我を忘れる。早稲田大学剣道部の100年以上の歴史が積み重なった早慶戦に、今年も選手20名がただ一撃にかける。

※今年の11月1日・15日の早慶戦にて男女ともに優勝。男子8連覇・女子6連覇を果たした。

剣道部合宿にて
▲剣道部合宿にて


著者前列中央
▲著者前列中央


2008年度早慶戦より
▲2008年度早慶戦より

 
1202号 2009年11月19日掲載