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ヴェネチア国際映画祭短篇コンペティション部門入選!
『kingyo』の監督&プロデューサー

エドモンド・楊さん
板垣 麻衣子さん

■エドモンド・ヨウ(Edmund Yeo)
1984年シンガポール生まれ。マレーシア人。Catholic High School Malaysia卒業。Murdoch University(豪)マーケティング専攻卒業。文部科学省国費留学生として2008年9月から本学大学院国際情報通信研究科(GITS)に留学、修士2年在学中。安藤紘平研究室所属。ドバイ国際映像祭やパリ国際映画祭に招待作家として作品上映、トロント国際映画祭ではプロデュース作品が審査員特別賞を受賞。
■いたがき・まいこ
1985年鹿児島県生まれ。神奈川県立相模原高校卒業。本学第二文学部入学後、第一文学部に転部、2008年卒業。現在、本学GITS修士2年。安藤紘平研究室所属。09年東映配給映画『火天の城』に制作部として参加。『kingyo』は初プロデュース作品。趣味は読書、映画・音楽鑑賞。サッカー観戦。NHKディレクター職に内定。

 「日本文学の秘められた美や、主人公の繊細な心の描写に惹かれるんです」と監督の楊さんは入選作『kingyo』の製作意図を話す。川端、谷崎、芥川といった作家たちの作品に表現される幻想的な側面が好きで、多くの影響を受けたという。「中でも僕が大好きな川端康成の『雪国』と『金糸雀』からインスピレーションを受けたのがこの作品なんです」。ヴェネチア映画祭では世界中の映画界の第一人者から高い評価を受け“Best split!”と上演後に2度の拍手で賞賛された。「それも嬉しかったけど、憧れのアン・リー監督に会えたのも嬉しかった~」と茶目っ気たっぷりに楊さんは笑う。

 一方、予算が100万円しかない映画製作を任されたプロデューサーの板垣さん。撮影日数の短縮、GITSの機材をフル活用、節約を重ねて、通常数千万円以上かかる製作費を超!低予算で実現。初めて取り組んだプロデューサー業に悩むことも多かった。「安藤紘平先生にいろいろお力添えいただいたおかげです」と微笑む。
そもそもこの二人の出会いは偶然。板垣さんは、東京藝術大学大学院生の映像作品を見たのがGITSに進学するきっかけとなった。「学生でもここまでつくることができるんだ!」と感激、自分でもやってみたいと思い『マスターズオブシネマ(オープン科目)』の担当教授、安藤先生に相談。GITSを紹介された。「アジア人として日本文化にはもともと興味があって…尊敬する是枝裕和監督の母校に映像表現を学べる研究科があると知って、早稲田留学を決意したんです!」と語るのは楊さん。そんな二人が意気投合したのは、教室でひとりぽつんとしていた楊さんに板垣さんが声を掛けたのが始まり。「話していくうちに好きなバンドや、映画が同じだって分かって…」作品を手掛けることに。

 楊さんは「彼女の手腕なしには完成しない映画でした」と感謝する。一方、監督の誉め言葉に、はにかみつつも「自分は“才能”を支えることが好き。もっと経験を積んでいつか小津安二郎監督のような映画を作りたい。NHKでも力いっぱい頑張ります」と話してくれた。また二人は「自分の好きなものに正直になることが大切。チャンスは転がっていないから、自分で作っていくしかない。映画製作に一番必要なのは情熱です」と語ってくれた。いつか彼らが肩を並べてレッドカーペットを歩く日が来ることを祈りたい。

ヴェネチア国際映画祭『kingyo』凱旋上映会、決定!
12月15日(火)大隈小講堂にて(詳細決定次第、右記URLにて発表)

写真右が板垣さん。左が楊さん。
▲写真右が板垣さん。左が楊さん。



『kingyo』撮影風景
▲『kingyo』撮影風景



■『kingyo』
第66回ヴェネチア国際映画祭短篇コンペティション部門入選。シネマニラ映画祭、香港アジア映画祭、ライデン国際映画祭に公式招待。映文連アワード2009で準グランプリ&新人監督賞受賞。本学GITS安藤紘平教授指導のもとでの学生主体製作作品。全編を左右二分割画面(split screen)で描いた。
【URL】http://www.kingyo-film.com/html/introduction-j.html

『kingyo』
▲『kingyo』


 
1201号 2009年11月12日掲載