「顔には出ていなくても、手をつなげば『あれ?元気ないのかな』ってわかるんです」と、内田さんはチームメイトとの絆について話す。内田さんがアメリカに居を構えトレーニングに励む “シンクロナイズド・スケーティング”(註)とは、フィギュアスケートのシンクロにあたる競技だ。16名で構成されるチームのダイナミックさを表現するため、手をつないで回転する演技がある。その瞬間「相手の気持ちが手に取るように分かる」のだという。シンクロナイズド・スケーティングの魅力はこの“信頼感”。「シングルで滑っていたときには得られないものです」と内田さんはほほ笑む。
ともと内田さんはシングル・スケーターだった。ミシガン在住時、アイス・ショーを見て「わたしもやりたい!」と始めたのが5歳の時。帰国後もトレーニングは続けたが、リンクが遠く練習不足になりがちだった。「自分より後から始めた人が完璧にジャンプをしている。遅れを取り返そうと、焦りました」。結果を出せない日々が続く。そんなとき、抜群のステップセンスが注目され「シンクロナイズド・スケーティングに転向しないか」と誘われたのだ。高校時代は東京女子体育大学クラブでシンクロに専念。結果、全日本優勝を果たすまでになる。「でも、世界選手権で成績が残せないのは何故?」疑問を解明すべく、マイアミ大学に留学を決めた。本場で開催される大会や、チームの演技を見続けるうちに「上には上がある。トップチームメンバーになりたい」と思うようになった。アメリカでの1年間の修行を経て、見事あこがれの全米1位の実力を誇るチーム、ヘディネッツ
の審査に合格。「日本では“協調性”が重視されますが、アメリカは一人ひとりの美しさを引き出す表現力を重視しています。それに気付いてからは“自分らしさを保つ”ことを心がけるようになりました」
視野を広げられる大学と思い、進学した早稲田大学。自分を理解し応援してくれる先生や、友人たちを得ることができた。「アメリカ同様、早稲田もかけがえのない場所です」。きらきらした瞳で語る内田さんだった。
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