法務省によって9月11日、法科大学院(ロースクール)修了者を対象とした2009年度の「新司法試験」合格者が発表された。
今年で4回目となる同試験では、全国の法科大学院を修了した7,392人が受験し、2,043人が合格した。

法務省の発表では、「法学既修者」と「法学未修者」の意味で「既修」「未修」という言い方をしている。しかし、本研究科では「3年標準履修」を中心としており、いわゆる「法学未修」の学生だけではなく法学部出身の学生をも含めた多彩な背景を持つ学生を選抜し、既成概念にとらわれない真の法曹の育成を実践している。
(2011年度入試より既修・未修別に選抜を行う)
法務省発表『平成21年新司法試験法科大学院別人員調(既修・未修別)』より作成


~早稲田大学法務研究科から法曹になるための道のり~ 【2011年度入試(2010年実施)の場合】


 新司法試験合格者コメント
早稲田をフル活用して掴んだ合格
小倉 崇徳   早稲田大学政治経済学部卒業
大学院法務研究科修了(2009年3月)
2006年4月、私は希望に満ちて法務研究科に入学した。早稲田大学の平山郁夫記念ボランティアセンターでハンセン病問題を学んだことを通し、人権問題と関わりたいと考えたからである。しかし、法律初学者の私にとって法律の講義は未知との遭遇であり、入学したその日から初志を忘れてしまうほど多忙で過酷な生活を送ることになった。何度も心が折れそうになったが、入学時に書いた志望理由書を読み返して自分を鼓舞した。
 法務研究科での学修についていくため、私はできる限りのことをした。クラスの友人や模擬裁判などを通して知り合った先輩に勉強のアドバイスをもらい、オフィスアワー(教授への質問制度)を徹底活用した。さらに、24時間開室の専用自習室や、若手の法律実務家に学修相談できる「アカデミックアドバイザリー制度」も大いに利用した。3年次後半には仲間と週6日のゼミを開き、新司法試験を見据えた勉強を行った。
 これらのことは、多種多様な人材が集まり、互いに切磋琢磨できる早稲田大学だからこそ可能なことであり、私自身、早稲田ならではのメリットを最大限に活かすことで新司法試験に合格することができたのだと思う。私を支えてくれた多くの人に感謝しつつ、今後も初志を忘れずに頑張っていきたい。
早稲田で法曹を目指すということ
西村 未来   早稲田大学法学部卒業
大学院法務研究科修了(2009年3月)

 私は、早稲田大学法学部から大学法務研究科に進学し、一貫して早稲田で法律を学んできた。これを通じ、私は「自ら思考すること」を身につけることができ、その結果として、新司法試験に合格することができたのだと思う。
 早稲田大学法科大学院は、しばしば、司法制度改革の理念を重視した法科大学院であるといわれる。社会人経験者や法学部以外の出身者など、多様なバックグラウンドをもった学生がいる。さらに新司法試験突破後、法曹として社会でいかに活躍できるかを見越した講義も多く設置されている。皆さんもご存知のように、このような校風は学部においても認められる。新司法試験の合否だけを求めていると、早稲田大学は新司法試験を突破するにはいささか不利に映るかもしれない。しかし、新司法試験はあくまでも通過点に過ぎない。試験合格は目標の一つではあるが、重要なのは「その後」である。それに、このような校風の中で培った幅広い視野や思考力は、新司法試験突破という面においても、大いに
役立った。
 新司法試験の合格を目指しつつ、「その後」のことを考えながら学ぶことは勇気がいるかもしれないが、決して回り道ではないことを覚えておいてほしいと思う。

 法務研究科の紹介
法務研究科全景(早稲田キャンパス27号館)
   ▲法務研究科全景(早稲田キャンパス27号館)

法務研究科は、本学が誇る多様性と総合性、進取の精神をもって、さまざまな分野で専門性を高め、社会の隅々で活躍できる法曹の養成を目指しています。国内随一といえる豊富な共通選択科目のほか、実際の依頼者や現実の事件に接する「リーガルクリニック」、法律事務所や企業法務部で法サービスに触れる「エクスターンシップ」など、実務を通して学ぶ臨床法学教育も充実させています。また、米国、欧州、アジア各国にある有力提携ロースクール等への交換留学制度を用意。米国のLL.M(法学修士)コースを修了すれば、学位や米国の法曹資格を取得することも可能です。

現在、法務研究科ではさらなる学びの進化を目指した変革を推進中です。2010年度より、民法、刑法、憲法といった法律基本科目を一層重視するカリキュラムへ移行し、法律家に欠かせない基礎をより深く学びます。2011年度入試(2010年夏実施)では、法学既修者(2年修了)と法学未修者(標準年限3年)に定員を設け、それぞれ別個の入学試験を行います(法学既修者150名、法学未修者120名の募集を予定)。あわせて法務研究科の総入学定員の30%を目標に、「社会人」または「法学部以外の学部出身者」を優先的に選抜する予定です。これらの変革により、今まで法律を十分に学んできた人たちと他分野で専門知識を磨いてきた人たちの双方に対し、より明確な形で選抜を行い、きめ細かな学修サポートが可能になると考えています。

※法務研究科のカリキュラム・入試の概要についてはWEBページを
 ご確認下さい。
■法務研究科
【URL】http://www.waseda.jp/law-school/index.html


 
1197号 2009年10月15日掲載