何をしてるの? 「もぎさいばん」で世界へ

国際法研究会幹事長 法学部3年 吉田 隼和

 

 「どんなサークルに入っているの?」と聞かれ、困ってしまうことが多々ある。ただ単に「国際法研究会」と答えると、法学部生以外には、法律を研究しているのかと勘違いされるし、法学部生には、数ある試験対策サークルの一つかと誤解される。なので、最近は「模擬裁判をするサークル」と答えるようにしている。

 『国際法研究会-WILC-』は、国際司法裁判所(註)の模擬裁判大会に出場するサークルである。「模擬裁判」と聞くと、裁判官役があって、検事役があって、という裁判劇を想像するかもしれない。だが、私たちが取り組んでいるのは「A国がB国の領土に自国民を救出するために軍隊を出動させたらどうなるか」といったような国際法研究者が作る事例をもとに、原告・被告それぞれの立場から主張し、法律論の正確さや弁論技術を競う「大会」である。裁判本番は、原告・被告に分かれ他校と法廷で議論し、裁判官役の国際法研究者や、実務家からの厳しい質問に答えなければならない。模擬裁判での問題は、テロや人権、紛争などを扱っているため、現実に起こっているパレスチナやイラクの問題に対しても、深い視点から考えることができる。

 国際法研究会は、 昨年の冬に行われたJessup Cupにおいて国内大会優勝を果たし、日本代表としてワシントンでの世界大会に出場した。今大会は、世界の60カ国以上からチーム(HarvardやOxfordなどのロースクールからも参加もあり)が集結する模擬裁判の大会では一番有名なもの。大会では、運営側から発表されたCompromis(問題文)について国も文化も異なる人々が、法廷で論じ合う。そして大会後のパーティーでは、互いの健闘を称え合うのだ。この大会で得たものは、何にも代え難い、本当に貴重な経験であった。 本番までの道のりは長く、苦労も絶えない。しかし、チーム全体として1つの書面を作り上げ優勝を勝ち取った時、そこには何事にも変えがたい喜びがある。また、多くの議論を重ね、同じ時間を共有してきたからこそ、うわべだけでないあつい信頼関係のある仲間ができる。興味がある方は、是非下記URLか、会室(W816)を覗いてみてください。
【URL】http://www.waseda-wilc.com/

註: 国際連合の主要常設国際司法機関。オランダのハーグに本部を置く。国家間の法律的紛争、即ち国際紛争を裁判によって解決、または、法律的問題に意見を与える機関であり、国際法における権威である。英語での略称は、ICJ。

模擬裁判に臨んだサークルメンバーと各国メンバー
▲模擬裁判に臨んだサークルメンバーと各国メンバー

大会後のパーティーにて。
▲大会後のパーティーにて。
世界中からの参加者とともに民族衣装で参加。
左が筆者



 
1194号 2009年7月16日掲載