インドネシアには8年滞在した。社会情勢が緊迫したときもあったが、総じて人々の気質は穏やかで、彼らの素敵な笑顔と緑豊かな大自然から学ぶことが多かった。夜明け前にモスクの方角から聞こえてくる低い祈りの声、スパイスの香りや揚げ物の“ジュー”という音。インドネシアの思い出は、大好きな音や香りと切り離せない。
その後アメリカで統計心理学を学んで帰国、現在はGITSの中村清研究室でEdutainmentを研究している。Edutainment とはEducationとEntertainmentの二つを融合したもので、楽しく学ぶことでの学習意欲をサポートするシステムだ。ゲームやマンガなどはEdutainmentの要素が大いに含まれている媒体といえる。
私自身は、歌を通じて人々のふれあいを大切にする社会づくりための“Social Edutain-ment”をテーマに研究を進めている。研究の中で、大好きなインドネシアの文化を要素として活用できないものか…そう思った途端、「Ayo Mama」というインドネシア民謡をアレンジすることを思いついた。
原曲はとても明るく魅力的なメロディで、インドネシア人なら知らない人はいない曲。どこか唱歌のようななごやかな旋律は、日本人にとっても馴染みやすい曲でもある。この曲をアレンジしたものを耳にすることで、インドネシアに興味を持ち、歌を通してインドネシアの魅力を伝えられるのではないか?そう考え「Project Ayo!」をスタートした。インドネシアの魅力を発見してもらい、国際意識を高めることも目的のひとつだが、このプロジェクトを通して研究効果を調査することも大切な目的だ。
そのためにはやはり「Ayo Mama」をよりたくさんの人に聞いてもらわなくてはいけない。アレンジにも力が入った。Canari Edutainment(註1)と協力し、曲の持つメッセージ性と雰囲気を大切にしてアレンジを進めた。そのうちイタリア人作曲家や、多くのインドネシア人留学生、大使館関係者の方々にまで協力いただき、ついに4月下旬『あよママ~Ayo Mama!』(註2)が完成。
完成にたどり着くまでは、本当に問題の連続だった。でも多くの人々から協力いただき、れあいを通して人の力なくしてのプロジェクトの成立がないことを実感した。そして私自身、文化というものに対して、より敬意を抱くようになった。アンケート調査や関連イベント(註3)の開催など、まだ研究プロジェクトは続くが、私自身も学んで成長できれば嬉しい。Social Edutainmentの魅力を伝えることに役立つことを願いつつ-Stay tuned!
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