現場レポート  

「夜回り先生」水谷修氏講演会に参加して

人間科学部3年 宗永 祥子

 

 6月12日、「夜回り先生」こと水谷修氏の講演を拝聴した。平日のお昼という時間帯にも関わらず、会場となった大隈講堂はまたたく間に満員となり、水谷先生の人気と関心の高さを目の当たりにする。

 本講演会は薬物乱用防止策の一環として催されたもので、先生ご自身の経験から禁止薬物に関する幾つかのエピソード、そして「命の大切さ」についてお話いただいた。想像をはるかに超える“夜の世界”、薬物に身体を蝕まれた少年少女たちの哀話の数々。真直ぐに心に響く先生のお言葉に、違法薬物の恐ろしさを再確認する。「あなたの命はあなたのものではない」。厳しく突き付けられたその言葉は、あたたかい。

 誰もが生きる理由や自らの価値を問わずにはいられない。人の弱さ、寂しさ。生き続けることが辛くなる時など誰にでもある。だがそんな時、自らに寄り添うたった一人の存在にどれほどの勇気をもらうだろう。共に笑い共に泣き共に生きる、そんな人の存在にどれほど救われることだろう。隣にいるだけでいい。愛を語るどんな言葉よりも、ただ相手のことを想い側に居続けることの大切さ、『そしてそれこそが「愛」なのだ』と水谷先生は伝えてくださった。

 世界は美しく、誰もが真っ白な心で生まれてきた。どんな子供も愛されたい、温かな家庭で家族に囲まれて笑いながら暮らしたい、それが当然なのだと先生はおっしゃった。先生が繰り返し語るのは、ただ相手の存在のみに対する絶対的な肯定だ。悪いのはあくまでも子供ではない、周りの大人と社会なのだという言葉に、胸が熱くなる。

 水谷先生が一人で、悩みを抱えた全ての子供と接することができないのは明らかである。私たち一人ひとりが、隣にいる人の存在を認め愛しみ、そしてより良い社会の実現に向けて尽力しなければならないと、今改めて強く思う。

講師の水谷修先生
▲講師の水谷修先生




会場の大隈講堂は多くの学生が駆けつけ、超満員となった。
▲会場の大隈講堂は多くの学生が駆けつけ、
超満員となった。

 
1194号 2009年7月16日掲載