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不眠症について
スポーツ科学学術院 教授  精神科医 内田 直

 

 眠れないということは、非常に深刻な悩みである。誰とも相談できない夜中に一人で眠ろうと努力する時間のつらさは当人にしか分からない。不眠にはさまざまなものがあるが、大学生に比較的多く見られると思われる「精神生理性不眠症」を取り上げる。精神生理性不眠症は、不眠の原因となる事柄が最初にあって、それが解決した後も不眠だけが続いてしまう状態をいう。たとえば翌日が「とても大切な就活の面接だ」とか、「全日本選手権が控えている」「重要な国家試験がある」などという場合には、誰しも緊張して眠れないことがある。これ自体は、過度な緊張による不眠で、一過性のものであるので治療の必要は無い。しかし、このような緊張する事柄が解決した後でも、眠れないのではないかという不安だけが残ることがある。このような状態が精神生理性不眠症である。

 治療としては、一般的な睡眠薬を使うこともあるが、これは専門医に処方してもらう必要がある。こういった不眠を持った人は、次第に睡眠にこだわるようになる傾向がある。また、昨夜は良く眠れなかったので、今日は少し長めに寝よう、あるいは昼寝で補おうということを考える場合もある。これらの工夫は必ずしも不眠症を改善するとは限らない。このような状態の改善を含めた健康な睡眠習慣を保つためのアドバイスを表に示したので、試してみてほしい。


健康な睡眠習慣を保つためのアドバイス

眠いとき以外には布団に入らない。

20分間眠れなければ、一旦布団から起きる。その後気分転換をし、リラックスしてまた布団に入る。

ベッドは、眠ること以外のこと(本を読んだり、映画をみたり)はしないようにする。

寝る前に睡眠に良いというハーブティーを飲むなど、自分の中でよく眠れそうと思われる習慣があれば、それを行うようにする。

毎朝、決まった時刻に起きる。決まった時刻に起きると言うことは、眠れなくても朝寝坊しないようにすると言うこと。

昼寝は避けるようにする。

毎日の食事時間などを、なるべく規則正しくする。

昼以降、コーヒーなどを避ける。タバコも避ける。アルコールも眠る前には飲まない。(アルコールは幾分眠りやすくなるが、睡眠の質を悪化させる。)

就寝時に極端に空腹だったり満腹だったりしないよう配慮する。

寝室を適度な温度湿度に保ち、清潔さにも配慮する。

(http://www.sleepeducation.com/Hygiene.aspxより引用、一部改変)

   
1192号 2009年7月2日掲載