学生注目!! ロシアで体感した日本のソフトパワー

政治経済学部4年 野本 和宏


 昨年11月にロシア・ベルゴルド市にて開催された「日露学生フォーラム(註)」を振り返ると改めて貴重な体験を提供してくれた関係者の方々に感謝の気持ちでいっぱいになる。

 このフォーラムでは日本各地から集まった合計20名の大学生が3つの分科会(外交、環境、社会問題)に分かれベルゴルド国立工科大学の学生と意見交換を行った。多くの国際交流の例にもれず今回の旅でも最大の交流はプログラム外にあった。食事の席や毎晩場所を変えて繰り広げられる本音の対談では話が絶えることがなかった。毎日朝が辛かったが、今でも思い出せるロシア人学生の印象的な言葉の多くはこうした自発的な交流の場で得られたものだ。さらに、参加した日本人学生が異口同音に語っていた驚きがロシア人学生からの献身的な歓待であった。私自身も正直あの歓迎ぶりには驚かされた。フォーラムに参加したロシア人学生だけでなく一般の現地学生までが日本のカルチャーに詳しく、憧れのまなざしすら持って接してくれたのである。このような日本への高い評価の背後にはやはり日本の持つ科学技術やモノ作りの質があることが今回の旅でも確認することができた。ロシア人学生との議論の中でも日本の高速鉄道技術や環境技術への期待が再三垣間見えた。象徴的なのが、最終日の記者会見で現地記者から聞かれた「日本人がみんな電子書籍を読んでいるのは本当か」という質問である。ロシアにおける日本の情報が希少であることを割り引いても、日本=高度な技術というイメージは日本国内で思われている以上に強いことは間違いない。将来経済の縮小が見込まれる中で、海外での日本のソフトパワーもそれに応じて減少していくのか、それとも既に確立したブランドとして維持されていくのか分からない。しかし、今回私が享受できた歓待が過去世代の遺産であったという強い危機感だけは現在も持ち続けている。

テーブルを囲んで。交流会にて
▲テーブルを囲んで。交流会にて

日露学生フォーラムにて。
▲日露学生フォーラムにて。
後列右から3人目が、日本代表として参加した野本さん。

註:日露学生フォーラムは日露政府間の合意に基づいて青年交流促進を図るために行われている。相互訪問を原則としており、第4回の今年は11月に日本国内で開催される予定である。現在、外務省を通じて約20人の参加者を公募中。詳細は
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/russia/jr_koryu.htmlまで。

 
1191号 2009年6月25日掲載