進路選択物語 

やりたい仕事がわからない人へ

社会学部(2009年3月卒業)加賀 庸介
進路先:日経メディアマーケティング

 

 人生の大半はきっと仕事に費やす。そんな重要なことを遊んでばかりの3年生が一所懸命考えることはキツい。ご他聞に漏れず自分もそうだった。

 現役入学の私はテクノというクラブミュージックに没頭して進路決定を2年先延ばしした。プロになりたかったが、食いはぐれる不安や実力不足などから、「プロでやっていく」という結論を出せずにいた。

 一方、就職活動をしてはいたのだが、具体的にどの企業でどんな仕事をしたいというイメージがなく、「大手」「クリエイティブ」という安直な考えで受けたため、結果は完敗。最終まで進んだ2社も程なくお断りのメールが届いた。

 5年の冬。さすがにまずいと思い、一旦、音楽は趣味に留めると決めた。 

 音楽で食うことが御大層な夢物語に感じたからだ。そして就職活動を再開する前に、何処か自分を鍛えられる場所を探した。「とりあえず広告好きだし」という気持ちでアルバイトを始めた会社が、自分にとって大きな転換点となった。

 そのアルバイト先とは、広告効果測定を行う社員10人未満の小さな職場だった。だが、その規模故に自分の仕事がどんな流れを経て顧客の役に立つかがハッキリわかった。少しでも学びたいという意思が強かったせいもあるが、やりがいをこれほど感じたことはなかった。次第に情報提供の仕事に興味を覚え、気がついたら『企業活動に必要な情報を提供する仕事がしたい』という職業観を持っていたし、自己分析もそれ以上考えなかった。

 1月末からやり直した就職活動は、現在働いている企業から内定をもらった3月半ばで終えた。その時点では数社選考途中だったが、日経の強みを活かしたビジネス情報のデータベースサービスに魅力を感じたため、他を全て辞退した。短絡的な印象を与えるだろうが、自分なりの決断であるし、今はこの会社とこの仕事に納得している。

 やりたい仕事がわからなければ、何かネタになることをする。そこから何かを得たり、もしくはそれが面白いと感じたりできれば、それも1つの進路選択の方法として良いと思う。またそれがターニングポイントだったと振り返るのも感慨深い。

 案外やりたい仕事が決まっている人の方が苦労するかもしれない。

就職活動イベント用の冊子を作成中
▲就職活動イベント用の冊子を作成中

ライブにて
▲ライブにて

学生キャリアメンバーと筆者(左下)
▲学生キャリアメンバーと筆者(左下)

 
1188号 2009年6月4日掲載