世界・地域の食卓から  ドイツ料理

ブラトカルトフェルン 【Bratkartoffeln:焼きジャガイモ】

  16世紀にアメリカ大陸からヨーロッパへとジャガイモがもたらされて以来、ドイツでは肉とビールにベストマッチングのイモ料理が、庶民の創意工夫で次々と誕生した。今回はそんなドイツ料理から、ドイツで生まれ育って18年の林敬太さん(文研博士2年)に、代表的な簡単レシピ、ブラトカルトフェルン【Bratkartoffeln:焼きジャガイモ】をご紹介して頂いた。

Ingredients(2人前)
★ジャガイモ…800g
★たまねぎ…1玉
★ベーコン…お好みで
★食用油、塩、コショウ(粉末)
★香辛料(マヨラナ、オレガノ
★ローズマリー、ガーリック
★キャラウェイ等お好みで)
★小麦粉

Recipe

1 《生ジャガイモを使用する場合》2cmほどのサイコロ状に切るか、0.5cmの厚さにスライスし、水洗いする。
※予めレンジで暖めるとふかしたイモと同様になる。
《事前に煮たイモを使用する場合》お好みの大きさに切ればOK。たまねぎとベーコンも一口サイズに切っておく(フライパンに油を引き、十分に熱しておく)。

2 生ジャガイモをそのまま焼く場合は、フライパンにふたをしてまずは火を通す。煮たイモ、レンジで加熱したイモの場合、約10分間、かき混ぜながら焼く。これに小麦粉を少々加えるとよりこんがり焼ける。

3 ジャガイモが焼きあがってきたらたまねぎを加え、キツネ色になってきたら塩、コショウをかける。

4 お好みでベーコン、香辛料を入れる。ベーコン、塩、コショウのみで、香辛料をてんこ盛りで入れると「ドイツっぽい」味になる。

5 ジャガイモを皿に盛った後、フライパンの余熱で黄身がとろとろの半熟目玉焼きを作り、ジャガイモの上に乗せて出来上がり。
※目玉焼きではなく、卵をといてからイモの入ったフライパンに流し込む方法もあり。フライパンに入れたまま食べるケースもある。

Story

 ドイツ料理といえばビールに合うソーセージ…と思い浮かびますが、自宅で作れる代表的な簡単レシピと言ったら、このブラトカルトフェルンです。この料理は「前日作ったじゃがバターの余りを利用して作る…というのが元々のコンセプト」。さすがにドイツらしい無駄の無さです。ドイツのご家庭では「農家の郷土料理」として楽しまれています。19世紀に急激な工業化が進んだ都市部の労働者の間で、「お袋の味」「故郷の味」として親しまれていたそうです。「19世紀に都市で田舎風のものが広まる」という構図は興味深いものがありますね。

 高校までドイツ・ミュンヘンで過ごした私には、スキー場で好んで食べた料理、という思い出があります。ドイツのスキーはとてもハードで、道なき道を樹木との激突や、崖からの落下におびえながら進む…というほど。やっとの思いでたどり着く広大なスキー場の山小屋で、この料理を食べながらほっと暖を取る…質実剛健なドイツ料理の真のスパイスは、そんな「生」の実感なのかも!?

1171号 2008年11月6日号掲載