わせだかいわい 

「癒やし」のオムライス店
「3つのオレンジへの恋」を経営する

山内通生さん・君枝さん夫妻

  「3つのオレンジへの恋」というちょっぴり不思議な店名と、かわいらしい外観。柔らかな間接照明がともり、中喜一さん(元本学職員)の描いたキャンパスの風景や、赤川菜穂さん(法3年)のメルヘンチックな絵などに囲まれた店内は、おしゃれなムードが漂う。経営者の山内通生さん(本学校友1973年法卒)は店名の由来を「プロコフィエフ作曲のオペラから取りました。きれいなイメージの言葉がたくさん入っていて、お店の雰囲気に合っていると思いまして」と明かす。現在、独自のオムライスの味を確立し、飲食店として軌道に乗っているが、これまでの道のりはけっして平たんではなかったという。

 通生さんは、本学を卒業後、総合商社に就職した。30年近く働く中で、殺伐とした世の中を少しでも癒やせるようなことをしたいと思うようになり、早期退職を決意した。「どこで何をするのかと考えた時、青春の地・早稲田で第二の人生を歩もうと決めました。早稲田大学の雰囲気や歴史をあらためて楽しみたくて。特に大学の景色には心を引かれます。アカデミズムと温かさが見事に融和していて見飽きません」。場所を絞り、「何を」するか思案するうち「癒やしたい」という思いを「食」を通じて実現できることに気が付き、飲食店を開くことに。「食べること自体が、体や心のエネルギーにつながりますからね」。退職する直前から各種のセミナーやフォーラムへと積極的に参加して人脈を広げ、早稲田の商店会の人々らと出会い、バックアップを得た。

 2002年4月、ついに店をオープンした。「レジの打ち方も分からないところからのスタートで、初めの1、2年はすごく苦労しました。汗と涙と試行錯誤を繰り返し、ようやく今のオムライスの味ができたんです」。軌道に乗り始めたきっかけは、妻・君枝さんが本格的に店で働くようになったこと。「自分たちの店という意識が強くなって、店内の雰囲気も家庭的で明るくなったと思います」。

 以前アルバイトをしていた遠藤彩さんと、働き始めて6年目になる郷亜里沙さん(日研修士2年)は、「東京の両親です」と山内さん夫妻を表現する。2年間アルバイトをした矢野真依子さん(2009年3月法卒)は「お2人とも、特に奥様はとっても気さくで、話をしていて心が和みます」と言う。テーブルにはメニューや人生についてなど、何でも書き込める交換ノートがある。メニューより先にノートを見る客もいるほど好評で、新たなコミュニケーションを生んでいる。通生さんは「アルバイトの学生はわが『オレンジ家』の自慢の娘たちです。いろいろなお客様との出会いも喜びです」と笑う。料理はもちろん、君枝さん手作りのトールペイントといった装飾品に加え、山内さんご夫妻とスタッフの人柄が、自然とアットホームな雰囲気をつくり出す。通生さんの「癒やし」への思いは、着実に実を結んでいる。

3つのオレンジへの恋
【営業時間】 月~土 11:30~15:00(売り切れ次第終了)
【定休日】 日曜・祝日
【場 所】 早稲田キャンパス27号館横
※パーティー予約承ります。

アルバイトをしていた前田理子さん(2009年3月教卒)とお店の外観
▲ アルバイトをしていた前田理子さん(2009年3月教卒)とお店の外観

山内さんご夫妻
▲ 山内さんご夫妻

左から郷さん、遠藤さん、矢野さん
▲ 左から郷さん、遠藤さん、矢野さん



 
1182号 2008年4月16日掲載