学生注目!!

早稲田は大学だけじゃない。まちを楽しんだ4年間

第一文学部4年 吉崎 智博

 「まちづくり」に興味があって早稲田に来た。

  もちろん、大学には都市計画や地域活性化といった「まちづくり」をテーマとした授業・ゼミがいくつもあるが、そんな中で私が選んだのはまちづくり"サークル"だった。頭で考えるばかりではなく、自分の肌でまちづくりを感じてみたかったというのが大きな理由だ。実際に活動を始めてみると、その難しさと奥行きの深さに驚嘆した。「まちづくり」、「地域活性化」といった言葉はえらく聞こえがいいものだが、具体的に何をやったらいいのかとなると答えに詰まる人が多い。聞こえがいい分、何をどうしたらよいかということまでは考えが及ばないのだ。

 4年間、活動を続けてきて得たものはいたってシンプル。
 「地域のために自分ができることは何か」
 そう考えることが、まちづくりを始める第一歩となることだ。

 例えば、地域の夏祭りを盛り上げるために助っ人として参加する。まちのおじさんたちの輪に交じり、そろいの半纒を着て神輿を担ぐ。そして何より、自分がこのまちでやりたいと思ったことを実践すること。これが学生にとってのまちづくりの醍醐味であると私は思う。

 学生である自分にとって「まちづくり」は仕事ではない。地域のためになることを考えつつも、自分の夢ややってみたいことを叶えたい―そう思うことが活動の大きな支えとなることを実感した。地域のためにできることと自分の夢、この2つをすり合わせることにより活動に対する意欲や情熱はいっそう燃え上がる。結果として、大きなエネルギーとなって活動の質を高めてくれるし、それほどの熱意があれば地域の協力も得やすくなる。

 ただし、「学生との距離の近さ」という点において早稲田のまちは特別であることを忘れてはならない。よその地域から来た学生の話なんて、最初は耳もかさない人の方が多いだろう。

 その点、早稲田は度量の大きいまちだ。何十年も学生と共に生きてきたまちだからこそ、住民も商店主の人たちも早大生に対して温かい。学生たちの多様な価値観を受け入れ、時にはひどくしかってくれる人たちが早稲田にはたくさんいる。そんな観点からみてもまちづくりは奥深い。

 どこまで突き詰めてやっても終わりはないし、良し悪しや効果がすぐに出るわけではない。だからこそ地域側も面白がってくれるし、たまには突き放されることもある。自らの商売そっちのけで学生と仲良くなってくれる面白いまち―そんな雰囲気が早稲田にはある。こうした学生と地域の距離の近さが、結果として地域を寂れさせない一因としてちゃんと働いているのだろう。

 4月からは社会人になる。早稲田を離れていくことは名残惜しいが、学生時代に経験したまちづくり活動は、今後の将来を貫く一つの軸となって確固たる自信を私に与えてくれた。感謝してもしきれない。

今年の夏に行われた、早稲田界隈の水稲荷神社大例祭にて
▲今年の夏に行われた、早稲田界隈の水稲荷神社大例祭にて




 
1177号 2009年1月15日号掲載