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クロスカントリースキーでバンクーバー五輪を狙う!

不屈の闘士 木村 正哉さん

■きむら・まさや1986年新潟県生まれ。関根学園高校卒業。スポーツ科学部4年。スキー部所属。宝田雄大ゼミ。高校3年生でインターハイ・クロスカントリー男子10kmで優勝。07年全日本学生スキー選手権大会(インターカレッジ)クロスカントリー男子スプリント優勝、08年同大会男子10kmクラシカル・30kmフリー優勝。今季ユニバーシアード冬季大会日本代表に内定。趣味はスポーツ。

 クロスカントリーとはいわば雪上のマラソン。「自らの身体能力との対話みたいなものです」と木村さんは語る。「滑っている最中は、自分の能力と照らし合わせて勝負に出る瞬間を計算しています」 木村さんは一年の多くをノルウェー、フィンランド、スイス、イタリアなど、世界各地で行われるナショナルチームの合宿に参加する。海外の大会を転戦する国際派だ。多いときで年間150日以上を、国外の雪上で過ごしている。「国際試合の技術レベルと緊張感は日本とはけた違い」と話すように、スキー競技だけではなく、試合に臨む生活面でも強い精神力が求められる。コミュニケーションはもっぱら英語。日本とはまったく異なる環境で体調、食事、ストレスなどを管理した上で、競技で最高のパフォーマンスを発揮することは容易ではない。「勝利への気持ちの強さで絶対に負けないこと」を理念に、世界を駆け回る木村さん。なぜここまでタフになれるのか?

 実は高校時代に大ケガをした時、当時のコーチから猛烈なげきを飛ばされ、その時感じた悔しさが強い精神力の源になった。「『自分の体を大事にしないやつが、インターハイに出られるわけない!!』と言われた時の悔しさは忘れられないですね・・・」。その言葉で発奮し、翌年のインターハイで見事優勝した。「その勝利の瞬間は一生忘れません。悔しさを勝利への執念に転換するプロセスを学んだわけですから。本気で怒ってくれたコーチは、かけがえのない恩師です」

「毎日スキーのことで頭がいっぱい」という木村さんだが、一番気持ちが休まるのはスキー部の仲間と過ごす時間。「早稲田のスキー部は家族みたいなもの。オフは同期や友人といるだけで、心が休まります」。凛とした闘士の面持ちに、人懐こい笑顔がのぞく。

 今年の目標は、インターカレッジのクロスカントリースキー4種目*の完全制覇。「2年後にはバンクーバー冬季五輪出場、さらにその次のソチ冬季五輪も視野に入れています」、そう言い切ると再び世界を見据えるまなざしになった。木村さんにとってどんな試合の結果も、ひたむきな努力と強靭な精神力、そして仲間への真摯な想いの集大成。「将来は世界で渡り合える選手の育成にも取り組みたい」。どこまでも澄んだ気持ちでバンクーバー冬季五輪大会、さらにその先の将来を見据える不屈の闘士の挑戦は続く。

*全日本学生スキー選手権大会(インターカレッジ)クロスカントリースキー競技1.3kmスプリント、10kmクラシカル、30kmフリー、4人×10kmリレーの4種目で競われる。




▲「まるで本当の家族」と話すスキー部の仲間と
(前列左から2番目が木村さん)
写真提供:早稲田大学スキー部

スキー部のWebページ
【URL】http://www.wasedaski.net/


 
1177号 2009年1月15日掲載