われら早稲田大学ガンダム研究会は1991年に創設され、94年には『機動戦士ガンダムの機密―ザ・シークレット・レポート(註②)』という本も出している。主な活動として、週に一度学生会館に集まり、前述の通り「研究」にいそしんでいるのだ。
「研究」と一口に言っても、皆さんが思い浮かべるような仰々しいものばかりではない。
ガンダムのアニメ作品はTVシリーズだけでも10作品以上あるうえ、漫画・小説・プラモデル・ゲームなどさまざまな分野に派生しており、それぞれにファンが存在する。それらのファンが1カ所に集まり、何気なく会話を交わしていても自然と研究につながってしまうのだ。
他のことで盛り上がっていても、ふとしたきっかけでMS(註③)の対艦戦闘時における優位性に話題が及んだりする。また、英国紳士が会話の中でシェイクスピア作品の一節を引用するように、われわれがガンダムのセリフを引用することはしばしばである(例:「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」や「穏やかじゃないね…」など)。私たちはこれらを楽しんでやっている。大切なのは楽しむことなのである。はじめから研究を目的とすると、ともすれば苦痛を伴う。しかし、ガンダムをネタに楽しんでいると、無理をせずともそれが研究となる。
最近では古い作品を知らない会員向けに上映会を行ったり、初心者に向けたプラモデル講習会を開催したりと、啓蒙活動も行っている。夏には富士急ハイランドへ行き、ガンダムのアトラクションの攻略法を探るなど、研究活動にも余念がない。
このようにさまざまな楽しみ方・研究が可能であるのは、ガンダムの世界観に広さと深さがあるからである。そしてまた早稲田大学という、これまた広く深い自由な環境があるからこそ可能であると言える。ガンダムが好きな学生にとって、これほど居心地の良い場所はないだろう。こんなサークルは他では決して実現できないと私は断言する。
註①:カミーユ・ビダン。ガンダムシリーズの『機動戦士Zガンダム』に登場するモビルスーツ(註③参照)パイロットの少年。「女のような名前」と揶揄されることが多いせいか、名前にコンプレックスを持ち、突発的に感情を高ぶらせ、年上の人間にも構わず殴りかかるといった激情的な少年として描かれている。
註②:わが研究会がてがけた機動戦士ガンダムについての総合研究書。データハウスより刊行。今年5月には新装版も刊行。
註③:モビルスーツ。ガンダムに登場する人型ロボット兵器の総称
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