「早稲田桟敷湯」とは、昭和23年夏に、本学理工学部の7人の学生たちがボーリング実習中に掘り当てた温泉で、今でも共同浴場として利用され、町民に愛され続けている。期間中は特別展望列車の「早稲田湯80周年号」が、仙台-鳴子温泉間を走り、鳴子温泉駅では、混声合唱団が『都の西北』で出迎えた。ちんどん研究会は温泉街を練り歩き、早稲田桟敷湯に作られた特設ステージでは日本舞踊や長唄などが繰り広げられた。60年前に掘削を行ったOBのうちご存命の3人の方々が全員お見えになり、宮城稲門会からも多くの方々のご参加をいただいた。
私がなにより心打たれたことは、当時掘削を行われた大先輩の方々にお会いしてお話が伺えたこと、また多くの早稲田のOB・OGの方々や鳴子温泉の地元の皆さんとたくさんの交流ができたことだ。普段のサークル活動では、いくら定期演奏会などで練習の成果を発表しても、日本舞踊などの古典芸能にある程度の興味がある方々しか来ていただけない。だが今回は、まったく古典芸能に関心のない方たちも多く、その前で踊りなどを披露でき、拍手や意見をいただき、貴重な経験ができた。
早稲田桟敷湯の舞台での演奏が終った後、誰からともなく『都の西北』を歌い出した。それはやがて、現役学生もOB・OG も含めその場にいる全員の大合唱となった。このような、音楽を通じた交流を、早稲田桟敷湯という場でできたことは実に素晴らしい経験だった。また、時を越えても通じあえる人の輪を各地に作り続ける早稲田大学の校友の方々の強力なパワーにも圧倒された。
まだまだ私が知らない世界は山ほどある。この経験を生かし、私はもっと広い世界で多くの体験を重ね、自分自身の人間的な幅を広げ、深く成長していきたいと願っている。
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