法学部に入った当初は、法律とは「いかに決まりきった結論を正確に導き出すか」を学ぶ学問であるというイメージを持っていた。しかし、そんなイメージが間違っていたことは、学生生活を送るうちに気付かされた。
ゼミでは教員・学生を交えての討論が行われるし、所属していたサークルの活動は、判例や学説を使って侃々諤々の議論をして、模擬裁判大会に出場するというものであった。何のために討論・議論をするかといえば、それは「より良い答えは何か」を考えるためであって、決まり切った結論を探し出すためではない。私の持っていた法律のイメージは間違っていたのである。
もちろん、議論をするためにはその前提となる学説・判例の流れを理解することが必要で、そのためには図書館や学術情報検索を駆使して探し出した資料を熟読したり、様々な事柄を記憶したりしなければならない。しかしその先には、「より良い答えは何か」を探求するという非常に興味深くエキサイティングなものが待っていたのである。そのことにおぼろげながらも気付いたときに、職業として法律を扱う法曹になろうという思いが芽生え始め、私は清水の舞台から飛び降りる気持ちで法学部3年生を退学して法科大学院に飛び級入学をした。
本学法科大学院においては、学部で所定の成績以上をおさめれば3年生から法科大学院に進学できる飛び級制度が採用されている。この制度を利用したおかげで、私は法科大学院で3年間学ぶことができ、さまざまな背景を持った同級生と共に学び、エクスターンなど数多くの実務を知る機会を得ることができた。
現在は司法修習生として、実務修習の日々を送っている。もうすぐ私は自分の名前と責任で目の前の現実に必要な「より良い答え」を探求していかなければならない。日々移り行く社会に対応するためには常に研鑽が必要とされる。我ながら厳しい世界に身を投じたものだと思うが、自ら選んだ道を進んでいきたいと思う。 |