ギリシャで開催された世界選手権。10位以内入賞チームだけがオリンピックに出場できるため、会場全体の空気がはりつめていた。「日本は出場ギリギリのラインだったので、本当に厳しい試合でした」と振り返る。「しかも、競技の出だしの大技でクラブを取り落としてしまって…」。入賞できなかったらどうしよう…取り返しのつかないミスに体の震えが止まらなかった。その時、コーチの声が聞こえた。「7位よ!北京に行ける!」不安の涙が、一瞬で安堵と喜びの涙に変わった。「コーチのくしゃくしゃな泣き顔と、掲示板のJAPANの文字は忘れられません」
幼いころから体を動かすことが大好きだった坪井さん。それならばと、ご両親が新体操スクールに通わせてくれたことが、この道に進むきっかけとなった。「体を思う存分動かしていられるのがうれしくて」続けていたが、12歳の時、全日本大会で3位に入賞してから意識が変わった。「もっときれいに演技したい。もっといろいろな表現ができるようになりたい!」。自分が感じたものや、考えていることを身体で表現すると、周りの人の心を動かすことに気づいたのだ。
新体操団体競技は体格も性格も全く違う5名の選手が、まるで5つ子のように呼吸と気持ちを合わせて演技をする。「一人ひとりの気持ちを強くつないで、それをより高めていくことが大切です」。ギリシャ神話に登場するニンフのようにしなやかで優美な身のこなしの坪井さん。まさにフェアリー ジャパンという名にふさわしい。「でもけっこう腕力はあります。本番では私が支え役となる大技を披露する予定です」
将来は指導者を目指している。「いろいろなことを経験して自分の力にしたい。勉強ももちろん、学校帰りに寄り道をしてカフェで友達と話しこんだりとか(笑)」。観客の心を動かし、感動の波をおこすため今日も坪井さんは練習を重ねている。キャンパスライフを満喫するのはまだ当分お預けになりそうだ。
※フェアリー ジャパン ポーラ
(FAIRY JAPAN POLA)
新体操ナショナル選抜団体チームの愛称。
詳細情報については http://ameblo.jp/fairy-pola/
|