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三日坊主克服法:行動変容の知恵を活かす
オープン教育センター設置科目 「健康創成論」担当
竹中 晃二(人間科学部 教授)

タバコを止める、お酒を控える、運動をする、野菜を取る、脂っこい食事を控えるなど、健康によいことは誰もが知っている。しかし、誰かから「このまま吸い続けると肺ガンになるぞ」という脅しを受けても、遠い将来の健康被害など眼中にない若年世代の人には何の効果も期待できない。「歯が黄色くなって嫌がられるよ」と、ごく近い将来に訪れる健康被害を伝える方がよいかもしれない。相手に応じたアプローチが必要だ。また、人はその気になって始めたとしても、何かの拍子に止めてしまう。そのために私たちは三日坊主克服法を身につけておく必要がある。健康行動には継続を妨げる特徴がある。以下の4項目に分けて続けるコツを考えてみよう。                              

■「やらない」か、「やる」かという二者択一の考えを捨てる
  私たちが健康行動を考える場合、「やらない」か、「やる」かの『ゼロかイチかモード』で考えてしまい、そうすると行動が開始しにくくなる。まずは「始める」ことに集中し、「何もやらないよりはわずかなことでもやった方がまし」という考えを持ち、調子が出てきたら少し増やせばよい。

健康づくりはもともと「続かない」
  どのような行動でもそうだが、動機づけの高さや意志の力が強いのは、始めたときだけで、数ヵ月、数年も継続することは難しい。「続く」ことを前提にすれば、「続かない」と、自分は意志が弱い人間だと思ってしまう。しかし、誰でももともと「続かない」と考えれば、では続けるためにどうしたらよいかと工夫する。たとえば、「記録する」ことで行動実践の拘束力が増し、「時間・場所を一定に決める」ことで継続しやすくなる。実践を思い出せるように手帳に書き込んだり、張り紙をしておくなども継続を助けてくれる。

■行わなければいけない健康行動を1つにする。
  私たちが健康のために行わなければならない行動は、禁煙、運動、ストレスマネジメント、ダイエットなど数多い。最初から、複数行おうとすれば、やがてすべて実践することができなくなり、罪悪感を感じて諦めてしまう。まずは、自分ができること1つに絞って始め、継続できれば他の行動を加えていけばよい。

■逆戻りに備える
  せっかく身に付いた健康的な習慣が、悪天候が続いたり、友人からの誘いに負けて少しずつ遠ざかることはよくある。そのため、あらかじめどういう状況で逆戻りが起こりやすいのかを考えておき、その時や状況に「備える」ことが逆戻りの予防となる。
  継続なくして健康行動の成果はありえない。継続を妨げる特徴を解決しながら、目の前にニンジンをぶら下げ、それにつられて続けていければ、長期的な習慣となっていく。

▲竹中晃二編著 ストレスマネジメント ー「これまで」と「これから」ー ゆまに書房より
図:トランスセオレティカル・モデル:今,自分がどこのステージにいるのか、そのステージによって行うべき内容が違う。
健康行動変容の理論・モデル、技法は、以下の文献、またホームページを参照のこと。

■人間科学研究科
竹中研究室 Webサイト
【URL】http://takenaka-waseda.jp/
■財団法人健康・体力づくり
  事業財団Webサイト
【URL】http://www.health-net.or.jp/zaidan/tairyoku/tairyoku_0307.html

 
1162号 2008年7月3日掲載