スタディ・アブロード 連載「ぐろーかる・らうんじ」は「スタディ・アブロード」に名称変更しました

早稲田からアメリカへ 

国際教養学部 4年
田島 英惠さん

アメリカから早稲田へ

国際教養学部 交換留学生
Corey Myersさん                              

高校時代のカナダ留学で合唱に出会う
  自分の専門の国際関係を深く学ぶにはアメリカがいいと考え、留学先を検討し、「国際関係」科目と多様な「芸術」科目があるオレゴン大学を選んだ。「芸術」を選んだのには、理由がある。それは、高校2年で1年間カナダに交換留学した時に、英語があまり話せなかったが、「合唱」を通じて友人を作ることができたからだ。日本では合唱とは無縁だったが、なんとか仲間を作ろうと合唱団に入ったのだ。クリスマスコンサートで、ソロを担当したことをきっかけに、さらに友人が増え現地にとけ込むことができた。


オレゴン・ゴスペル・アフリカとの素晴らしい出会い
  オレゴン大学では、国際関係科目を7割、音楽関係3割の割合で履修した。中でもゴスペルのクラスにははまり連続で履修したという。「ゴスペルとは、口頭継承される音楽のため、楽譜や歌詞カードもなく、先生の歌を聞いて覚えていくんです。授業中、先生にあてられて2~3人で歌っていくなど、留学生にはきつかった」と振り返る。歌詞を必死で覚えようとする田島さんのガッツを徐々に周囲の友人も認めてくれたという。自分たちのルーツである音楽に大きな関心を寄せる田島さんに親しみを感じたようで、クラスメートがわざわざ自宅に招待してくれた。留学中は、色々な科目にチャレンジする中で、自身専門の「国際関係」と「アフリカの民族音楽」がつながり、「アフリカ」への思いが強くなった。帰国してからも、アフリカの飢餓を救おうというNGOで活動したり、大学でもアフリカ関連の科目を中心に国際協力について学んでいるという。


▲寮の友人と。前列左端が筆者

留学で得た「人の話を能動的に理解し受け止める心」
  留学先の寮での共同生活でも『新しいルームメイトとの生活』と抵抗なく仲良く過ごせた。それは、中学・高校での寮生活を通じ、人それぞれの個性があるということを実感していたからだ。「留学の成果は語学を学ぶというよりは、国籍や肩書きで相手を見るのではなく、相手をひとりの個性ある人間としてみるようになったこと。人の話を聞くときは、自分の考えを持ち、能動的に理解し受け止める心が大切なのです。もちろん、初めての留学は語学習得で精一杯で、二度の経験をしたからこそ言えることです」と微笑んだ。

武道家コーリー参上!
  アメリカ南部の名門ジョージア工科大学から交換留学で国際教養学部に在学中のコーリィさん。運動生理学と機械工学を専攻しているが、日本語も副専攻として勉強中で、流暢な日本語を話す。その上、2005年の躰道*世界大会の3位という武道家でもある。
  5歳の時、やんちゃぶりにあきれた両親が地元アトランタにあった躰道の道場に入門させた。「最初は、躰道なのに師匠が竹刀を持って教えるので驚きました」というコーリィさん。躰道は身体のバランスが重要で即はまり、以来17年の躰道修行中だ。


なぜ日本語を?
  「小さい頃から、挨拶や礼など、練習中に道場に響く日本語にひかれていました」。躰道のルーツである沖縄へ行ってみて、ますます日本への興味が高まり、「大学では、数学など理系の必須科目が多く、日本語はホッとできる楽しみとして勉強し始めたのです」。
  06年の福岡大学への短期留学後、もっと日本語を学びたいと交換留学を目指した。日本語を集中して勉強したいと、早稲田への留学を決め、現在は国際教養学部の科目と日本語を学んでいる。「履修した科目は帰国後に卒業単位には参入されない。でも日本で学んだことは単位以上の意味があります」。


▲2005年躰道世界大会(アトランタ)にて(筆者下)

文武両道、将来は研究者を目指す!
  寮では自炊だが、納豆も馬刺しもいけるという日本通だ。早稲田の総合格闘技のサークル「大道塾」に所属し練習に励んでいる。躰道の練習は、毎日2~3時間。知人やかつての恩師の紹介で、各地の道場を訪ねる。武道を通じて多くの仲間ができた。6月7日に仙台で開催された「総合格闘技全日本大会」には、招待選手として参加した。帰国後は、「大学を卒業するために、すぐに勉強漬けの生活に戻ります。将来は、大学などでの研究者を目指したい」というコーリィさんは、きっと名物研究者になるだろう。
*躰道:沖縄空手から生まれた武道

 
1160号 2008年6月19日号掲載