何をしてるの?  何もない場所に何かがある―「田野畑村」

思惟の森の会 42期幹事長 政治経済学部 3年 久保 隆史

岩手県田野畑村。ざっくり言えば、太平洋に面した小さな農山漁村だ。典型的な過疎地で、村内で若い人はあまり見かけない。また、コンビニもファーストフードもない、不便といえばかなり不便な場所だ。

  そんな田野畑村と私たち「思惟の森の会」の交流は、50年近く前に始まった。きっかけは、この村を襲った1961年の三陸フェーン火災だ。その前年にゼミの一環として村を訪れていた早稲田の故・小田先生が、山火事を知って「自分たちも何かできれば…」と焼けた山に植林を始めた。これが交流の始まりだったという。

 今では植林活動は落ち着いてきたが、年に3回、各1週間ほどの合宿を通じて田野畑村との交流を続けている。ただ、ひとくちに交流と言っても、活動内容はさまざまだ。前に植林した森林の手入れはもちろんだが、村の農家や酪農家でお手伝いをすることもある。また、村の観光NPOのイベントがあればスタッフもするし、集落で祭りがあれば会場設営から御神輿かつぎ、出し物までやる。地元の障害者施設とのスポーツ大会を開催したり、オープン科目「農山村体験実習」の一環で村長との座談会を企画したりもした。単純に、村の方々のお宅にごちそうになりに行くことも多い。

 なぜそんな田舎まで行くのかと、疑問に思う方もいるだろう。

 一見何もない田野畑村に、計り知れないほどの魅力があるからだ。そこには、壮大な山や海、満天の星空がある。自然に生かされた、暮らしの営みがある。温かい地域や人のつながりがある。東京にいたら気づかない、大切な何かがある。それに魅かれて、私たちは田野畑村へ足を運ぶのだ。

 ところで、実はこの合宿、思惟の森の会の会員でなくても参加できる。GW期間の合宿には33名が参加したが、うち20名がWAVOCの募集や口コミで応募した一般学生だ。次回の合宿は8月上旬に10日間前後行う。内容は上記の活動に加え、小学生との自然体験学習などを予定している。興味のある人は気軽に問い合わせてほしい。

思惟の森の会
【E-mail】mori.waseda@gmail.com
【URL】 http://blog.livedoor.jp/morinokai/


田野畑村の春祭に参加
▲田野畑村の春祭に参加


春の合宿にて。前列中央赤上着が筆者
▲春の合宿にて。前列中央赤上着が筆者

山林にて玉切り作業をする
▲山林にて玉切り作業をする

 
1160号 2008年6月19日号掲載