ともかく経歴がすごい。まず10年かけて中国、米国、日本の大学に通い、日中米の文化、商習慣をマスター。その後、大手日系電機メーカーに就職し、中国でのビジネスの立上げや新規ビジネスの推進を担当。若くして現職にヘッドハンティングされた。中国ではビジネス専門誌の客員コラムニストも務める。そんな彼が、なぜ今、早稲田大学の公共経営研究科で学んでいるのか?「より現場に近い思想で研究できる本学院の学問に興味を抱いて。あと、大隈重信の思想に共感したのも大きいですね! 昔から早稲田大学が好きで、早大125周年ロゴ募集に応募したこともあるんですよ(笑)」
劉さんの研究テーマは「日系企業の中国進出の現地化」について。10年以上も前から掲げてきた課題だ。「興味を持ったのは父の影響。父は日系企業に勤めていて、幼い私をよく仕事の現場に連れて行ってくれました」。中国で経済を学びつつ人脈を広げ、バブル崩壊後の日本では日本の経営を、米国では理論だけではなく実地調査の重要性を学んだ。そうして日系企業に就職したが、中国への事業拡大に着手したときになって、今までの勉強では解決できない状況を痛感したという。「“今度は経済で侵略される”と警戒する中国の企業
と、“日本の技術を盗まれるのでは?”と疑う日本の企業。中国に、『信頼関係ができるのは十年、不信感ができるのは一瞬』という格言がありますが、複雑化した両国間の溝を埋めるのはまさに“いばらの道”だったんです」
今は再び研究しつつ、一日も早く自分の力を現場に生かしたいと考える劉さん。「多くを学んできた自分だからこそできることがある」と重い責任を感じるのだという。「でも今は、学生の観点から社会に対して研究成果を発信していこうと思います」と、笑顔を見せる。
「自分も学生なのにおかしいですが、時々、早稲田の大学生がうらやましくなるんですよ。環境に恵まれていて、未来が開けている。早大生の皆さんにはその自覚を持って、日々挑戦してほしいですね」。経済を通して二つの国の架け橋になりたい・・・。そんな思いを抱きながら、劉さんは今日も研究を重ねている。
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