所属大学、学部の認知すら怪しいところである。とはいえ、互いの「隠」能力に関して疑うところはない。毎年12月には“常時戦場”を合言葉に24時間捜索範囲無制限の1ヵ月耐久かくれんぼ、通称“センソウ”が行われているが、ここで日ごろより鍛え上げた「隠」能力が全開となる。どこで調べたのか実家は毎回確実に襲撃され、クリスマスイブに恋人とデート中であっても集団に取り囲まれて「みっけ!」とコールされる。また極寒の中、徹夜の張り込みや、隠れ続けるため一人孤独に狭いダンボール箱の中で過ごしていても、弱音を上げることはない。かくれんぼ中のサークル員の眼は、まさに訓練された兵士のそれである。
つまり、かくれんぼ同窓会とはかくれんぼをするサークルだ。
月に1回行われるオフィシャルかくれんぼが主な活動で、年間総合王者となった者には“ドリーム”をかなえる権利が与えられる。“ドリーム”とはすなわち夢である。王者の夢をかなえるため、他の人々は全力奔走する。
またオフィシャルかくれんぼがないときは、サブイベントと呼ばれる行事を随時行い“かくれんぼ力”を高めている。真夏のビーチで「こたつで鍋」を敢行したり、エアガンの弾を避けようとしたり、思いつく限りのことは何でも行われる。
なお、より洗練されたかくれんぼ道を追求するため、“かくれんぼ力”の早期教育を理念として掲げている。そのためサークルに入るには、厳しい筆記試験と面接試験をパスしなければならないのだ。みごと難関をくぐり抜けてきたかくれんぼエリートたちの眼に曇りはない。今日も、有史初となる全日本かくれんぼ大会の二連覇に向けて、練習に余念がない。そうこうしているうちに、誰もいなくなった。 |


▲かくれんぼに徹する者は常に孤独が漂う・・・

▲ダンボール箱の中で隠れ続ける筆者。わずかに見える指先に注目! |