ぴーぷる ワセダから海外までフェンシングを通して広がる友好の輪

坂 俊甫さん

■さか・しゅんすけ
1985年香川県生まれ。香川県立高松高校卒業。第一文学部5年。フェンシング男子エペ日本代表。2007年オーストラリアワールドカップ準優勝。今春までフェンシング部に所属し、07年には全日本フェンシング選手権で男子エペ団体優勝、個人準優勝。フェンシング世界ランキング37位(08年3月)。

 すらりとした長身と目鼻立ちのハッキリとした顔立ちが、どこか日本人離れして見える。海外遠征などで常に世界中を飛び回っており、1年の3分の1は日本にいないのだとか。「25カ国くらい回ったかな・・・。いつもフェンシングバッグと一緒に旅をしているので、たまには手ぶらで行きたいですね」と数ある渡航体験を冗談めかして笑う。

  大学3年生から1年間は、フェンシングの発祥地であるフランスに留学もした。語学は文法程度の知識しかなかったが、見ず知らずのフランス人に声をかけまくり、わずか3ヶ月で日常会話を会得。多様な人種がいる欧州で人と交わり、多くのことを吸収したという。「政情不安と報道されている国の人とたまたま空港で出会って話してみたら、国の持つイメージと個人は全く別で。自分がそれまでどれだけ視野が狭かったか分かりましたね」。今は、パリで出会ったスウェーデン人と日本でルームシェアしている。「語学の勉強は日本でもできる。留学や遠征を通して、たくさんの人と出会い、世界中に友だちができました。素晴らしいことだと感じています!」

  坂さんの友好の輪は、海外だけではなく早稲田の中でも広がりを見せている。高校時代の後輩や、フェンシングの大会で出会った他校の後輩たちが、坂さんを慕って早大フェンシング部に入部したのだ。「早稲田の学生って、伝統を大事にしながらも、しきたりに変に縛られはしないですよね。常により良い形を模索する彼らの力によって、フェンシング部は今まで以上に活性化したんです」。そんな後輩や同輩たちとともに良いうねりを作り、全日本大会で団体優勝を遂げた。

  ちなみに取材に訪れたこの日は、北京五輪出場をかけた長期遠征から帰国したばかり。ライバルの西田祥吾さんに僅差で破れ、北京行きの切符を逃した。「正直、悔しさで一杯ですけど・・・。でも、遠征で一緒に戦った仲間が出る五輪ですから。早稲田の学生の皆さんには、ぜひフェンシングの試合を観てほしいです!」悔しそうに歯がみしながらの笑顔。仲間思いの彼らしい言葉だった。

坂 俊甫さん


07年オーストラリアワールドカップ決勝。右が坂さん
▲07年オーストラリアワールドカップ決勝。右が坂さん

08年2月、ポルトガルにて
▲08年2月、ポルトガルにて。左は坂さんの良きライバルであり北京五輪出場を決めた西田祥吾さん(鹿児島クラブ)

 

 

 


 
1155号 2008年5月15日掲載