こんな授業! どんなゼミ? 第207回 多角的観点から読み解く中国
中国社会の探究

2008年3月 商学部卒 原田 信助

 北京オリンピックが近づき、経済・環境・政治などさまざまな面で中国への関心が高まっている。当ゼミは各人が興味を抱いたテーマを深く追究することで、現代中国に対する理解を深めることを目標とした総合演習である。前期は基本文献を読み議論するという形で、後期は研究発表という形で進められる。

 私は、このゼミ学習を通して、「日本人が勝手な中国人像を描いていて、あまりにも中国人の本質を知らない」ということを特に学んだ。中国人の社会行動が「面子(メンツ)」、「関係(グアンシ)」、「人情(レンチン)」といった心理に影響されていること、周囲を意識しない「自我」中心主義が強いこと、そして身内とそれ以外を明確に分けて行動することを初めて知った。そして、環境問題、特に「排出権取引」の学習を通じて、国家や企業中心の発想を転換しない限り地球的な環境問題を解決できないことにも気付いた。
  当初、環境にコストをかけてこなかった中国の企業に対して日本が資金・技術面の支援をすることに不公平感を感じたが、地球温暖化や越境汚染の問題を解決するには、地球的立場からの発想が大切だと理解できた。
  ゼミは、ときには教室を離れて街に出る。あるときは中国書籍専門店を見学しに神保町へ、またあるときは、中国革命の父孫文や周恩来ゆかりの料理店「漢陽楼」を訪れるために御茶ノ水へ。学びの場は校外にも広がっている。中華料理に舌鼓を打ちながら、教授と学業以外の話にも花を咲かせることができた。
  だが、ゼミ生が研究発表をする際は、緊張感が教室に漂う。少人数のために発言の機会も多く、個々人の責任も重い。「失敗は学生のうちにしろ。経験を重ねてどんな方面からの反論にも対応できるようになれ」。そんな教授の言葉に後押しされ、発表の回数を積み重ねるにつれて自信が生まれていくを実感した。
  演習を通じて、多角的観点から問題を考察することの大切さを学んだ。このことはきっと今後の貴重な財産となるに違いないと確信している。
※筆者は2007年度に受講

宇野先生を囲んで
▲宇野和夫教授(中央)を囲んで。筆者後列右端



 
1152号 2008年4月17日掲載