進路選択物語 |
ポジティブな自分を信じる進路‥役者
出たがりのくせに小心者で、几帳面で真面目なくせに「普通」であることにコンプレックスを持っている。そんな複雑な性格の私は、現在フリーで芝居活動をしている。バイトもしている。 芝居を始めたのは、学生時代に入っていた映画サークルがきっかけだった。自主映画に出演し、演技することの面白さを知った。その後、大学内の劇団の公演にも参加した。そんな風にして、演じるということが自分に馴染んできた頃には周囲は就活の時期だった。 迷った。役者の道に進むという選択肢。それは一般企業に就職することに比べて、将来的に不安すぎた。何よりも自分を売り物にする役者として、あまりにも「普通」な私。自信もなかった。周囲に流されて就活をしてみたものの全くピンと来ず、悩んでいた日々。そんな時、あるオーディションがきっかけで一本の映画に出演することになった。商業用のものではなかったが、今までの自主映画よりも規模の大きい16ミリの作品だった。技術的にも未熟だった私は、そこでは夢中になって今あるそれ以上でもそれ以下でもない自分のすべてを使うしかなかった。「全身全霊」。大げさかもしれないが、本当にそんな感覚だった。今までの自分の演技体験の中で初めての感覚。これが芝居をするということの楽しさなのかもしれない。そう思ったら、不安やコンプレックスなどはもう問題ではなく、前向きな気持ちで役者をしてみたいと思っていた。 あれから5年。好きなことを職業にと思って選んだ道だが、最近は仕事として回ってきたものが、自分の表現したい種類のものではなかったりというジレンマも出てきた。しかし、それでも好きな芝居をやっていくことが許される環境にある自分は幸せだと思っている。 進路に関わらず、その場その場の選択は、自分にとってポジティブなものであるかどうかが重要だと私は思っている。たとえ選んだ選択肢が上手くいかなかったとしても、自分がその場で前向きな選択ができる人であるならば、どんな環境に立たされたとしても自分らしい活路が見出せると信じているからだ。 ■須藤 真澄ブログ (2008年1月10日掲載) Copyright (C) 2008 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.First drafted 2008 January 10. |