先輩に乾杯!

早稲田在学中からプロを目指した 4コマ漫画家
藤島 じゅんさん


藤島 じゅんさん
ふじしま・じゅん
 1977年、新潟県三条市生まれ。1999年教育学部国語国文科卒。高校時代からゲーム雑誌へのイラスト投稿を始め、大学2年時からプロを目指す。強烈なギャグ、画風やペンネームから、長らく男性漫画家と読者に思われていたが、2006年に長男を出産し、ウェブサイト等で「カミングアウト」。多くのファンに衝撃を与えた。ご主人は4コマ漫画家の重野なおき氏。
【URL】http://www.lilac.cc/~sirokuro/top.html

 今回ご登場いただく先輩は、本学在学中からプロとして4コマ漫画を描いてきた藤島じゅんさん。4コマという制約の中で、笑いを取るギャグ漫画やパロディー漫画をさまざまな媒体で発表している。

漫画を描き始めたのは高校時代から

 藤島じゅんさんが漫画に興味を抱き始めたのは、故郷新潟にいた高校3年の時。ゲームセンターに置いてあるゲーム機専門雑誌『ゲーメスト』(新声社)の読者コーナーに投稿し始めたのがきっかけだった。「とにかくゲームが好きだったんです(笑)。漫画に興味があったというわけではなく、読者コーナーにネタを投稿しているうちに、それがよく掲載されるようになって…」。その時のペンネームが「しろくろ」。藤島さんの現在の公式ウェブサイトの名前が「しろくろ雑技団」なのは、そこから来ている。

  やがて大学進学のために上京することに。「六大学でなければ上京させないと言われ、無事に早稲田に合格したので」。教育学部で学びながら、今度は『コミックゲーメスト』などに読者投稿を始める。そして自身がアルバイトをしていた時のコンビニのネタを投稿した4コマ漫画『コンビニ』で竹書房の「準月刊賞」を受賞する。「それで漫画家になると決心したんです」。

自分が体験したことをパロディー化して連載スタート

 だが、その希望はすんなり通るものではなかった。「大学2年の時に親に『将来は漫画家になる』と切り出したら、『何を考えているんだ!』と仕送りをいきなり止められてしまって」。その後、卒業するまで実家からの支援は、大学の授業料と「水さえあれば生きて行けるだろう」ということで水道代だけになってしまったという。


▲今年9月に刊行された『きらきらきら』より

  それからは生活費を稼ぐために、ますますコンビニでのアルバイトに精を出さなければならなくなった。教室とアルバイト先を往復し、下宿で漫画を描くだけの大学生活。「だから合コンにも行ったことがないんです」。だがアルバイトを通して垣間見たコンビニでの裏話が格好のネタになり、大学3年の時には初の連載オリジナル4コマ漫画『コンビニぶんぶん』(まんがくらぶオリジナル/竹書房刊)でプロデビューを果たすことになる。

  以後、『月刊まんがライフMOMO』、『まんがタイムきらら』、『本当にあったここだけの話』、『AkibaRun!』などで、4コマ漫画やショート漫画を連載。『コンビニぶんぶん』、『てんしの末裔』、『ぎゃんぶる太平記』、『あぼばクリニック』、『きらきらきら』などの作品は、単行本にもなっている。

なんと「男性漫画家が出産?!」

 2004年に結婚。昨年、一児の母となった。だが、生活は独身時代とほとんど変わらないという。子どもの世話は、義理のご両親がいろいろと支援してくれるし、手伝いのアシスタントもいる。実は藤島さんは、名前とその作風から、長らく男性漫画家だと思われていたという。ウェブサイトや作品の中で母親になったことを描いたところ、「え?! 藤島じゅんは女だったの?」という反響があちこちから寄せられてしまった。

  早稲田の後輩へのアドバイスは? という質問に、居住まいを正して答えてくれたのは「自分自身のことは実は自分より他人の方がよく見えていることがある」ということ。特に職業については友人などの助言を得て、できるだけ心のままに進んだ方が楽しいはず。「だって一生向き合うのが仕事ですから」。ずっと初志貫徹を通してきた藤島さんらしいアドバイスだ。

(2007年10月4日掲載)

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First drafted 2007 October 4.