わたしのイッピン

ブリキの飛行機に 夢を乗せて の巻


宝物を手に。軽快なトークがはずむ原先生
▲宝物を手に。軽快なトークがはずむ原先生

  連載第6回目は、教育学部教授でメディア論・都市論・ドイツ文化がご専門である原克先生の、ブリキの飛行機にまつわるイッピンをご紹介! 先生初登場!

 白髪におひげがダンディーな原先生。そんな先生のイッピンは、意外にも“ブリキの飛行機”だ。古い物のはずだが、色が鮮明で状態はとても良く、大事に保存されているのが伝わってくる。「これは、僕の趣味が飛行機のプラモデル作りになったきっかけのイッピンなんですよ」と、うれしそうに手に取る。実は先生、セミプロ級のプラモデル作りの腕をお持ちなのである!「お店に並んだプロの作品より、僕の方がうまいかなと思うこともありますよ」と誇らしげににっこり。先生のこだわりのプラモデルの作り方は、別売りパーツを使って、細部どころか最終的に見えなくなる部分までもリアルに再現するほど。腕はプロ並み、熱心に説明される姿は少年のようだ。そんな先生の趣味のルーツは、小学生のころにさかのぼる。

ブリキの飛行機。今の先生のルーツとなる宝物だ
▲ブリキの飛行機。今の先生のルーツとなる宝物だ

 「小学生のころ、父が東京出張のたびに、おみやげとして当時流行りのブリキのおもちゃを買ってきてくれたんです。この飛行機もその時のおみやげの一つでね。それから父に連れて行ってもらった『航空博覧会』で、本物のジェット機とも出合った。“ホンモノ”を見た衝撃から、それを再現するプラモデルへの欲求が高まったんだよね。この部分はもっとこういう汚れがあるはずだ、とか(笑)」。さらに中学時代の親友の兄がプラモデル好きで、一緒に作っていくうちにどんどん楽しくなり技術を磨いていった。「彼はジョニー・デップ似で格好良かったし、ビートルズ好きでいつもラジオで洋楽をチェックしていて、ギターも抜群にうまくてね。ハイセンスで、今でもあこがれるお兄さん的な存在だよ」と目を細める。1960年代当時の雰囲気までもが伝わってくるようだ。

 当時、世の中はベトナム戦争中。戦争の報道規制がまだなかったので、連日、リアルな戦争映像がテレビで流れていた。そんな中で、大好きなジェット機が「悲惨な戦争の道具」として使われていることへのとまどいと、矛盾する思いを抱えて考え続けた少年時代を送ったという原先生。そんな先生のお話はとめどなくあふれ出る。

 たくさんの思い出とエピソードを積んだ、珠玉の飛行機だった。

(2007年7月19日掲載)

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First drafted 2007 July 19.