学び ふたたび

品質工学の視点を臨床に
  〜医療TQM(total quality management)を実践できるナースになる!〜


創造理工学研究科 修士課程2年 段ノ上 秀雄

棟近研究室にて
▲棟近研究室にて

 私は、早稲田大学第一文学部で心理学を修めた後、出版関係の企業などに勤めていた。その当時看護学が盛んになりつつあることを知り、心理学を活かした精神的ケアができる看護師を目指した。広島大学で看護を学び、卒業後、大規模な病院に就職した。

 私は急性期の病棟で勤務している。心理的支援を必要とする患者は多いが、医療従事者は業務を遂行することで精一杯であり、心理的支援に十分な時間が割けているとは言えない。

 私はこの問題が、精神論では解決できないと考えた。そんな折、出会ったのが、医療のTQMを推進する棟近研究室であった。そして今、そこで修士の2年目を迎えている。

 医療の現場は、過剰な自己防衛などのため、業務には無駄や重複も多かったようだ。また、標準化などの風潮がないため、基本的に経験と勘で多くのことが行われている。多くのことが未整理のまま、口頭伝承のような形で看護師は教育されていく。臨床にいると、それが当然と思っていた。

 研究室に配属されて最初のゼミで、私は相当の意気込みをもって自分の発表をした。臨床の感覚のまま、目的も無くレジュメに多くを書きあげた。今でも強烈に最初に受けたコメントを覚えている。「この目的は何なの?」

 進学前にも、それなりに品質管理を学び、目的指向、重点指向、可視化という概念も理解していたつもりだった。しかし、実行のときはそれを忘れてしまう。そういった基礎から徹底的にたたかれ、今まで培われることがなかった論理的指向性などが鍛えられていく。これは、ここで学ばなければ得られなかっただろう大切なスキルだと考えている。

 病棟勤務のとき、最近では手順の無駄や全体の最適化といった観点からいろいろ思うことが増えてきた。まだまだそれらを組織全体に浸透させるほどの力量はないが、将来的には、今学んでいるものを確かなものとして、自分の最終目的につなげていけるようにしたいと、学びながら、働きながら、考えている。

(2007年7月12日掲載)

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First drafted 2007 July 12.