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大事なことはみんなワセダで教わった
〈新入生歓迎特別企画〉
学生生活をエンジョイ! 早稲田ウィークリー座談会



 「ワセダの学生時代には宝が埋まっている」と、ある卒業生は言った。5万人を超える個性豊かな学生が集う早稲田では、学生生活の過ごし方も無限にあるが、誰もが「この早稲田で充実した時間を過ごしたい」と思っているはずだ。活動内容やフィールドは違えど、学生生活を楽しむために共通する方法論や考え方はあるのか…。今回は、さまざまな方法でワセダライフを満喫してきた先輩たちに、自身の歩んできた道を語ってもらった。


桑本 千紗都さん (2007年法学部卒)
 NPOの人権・平和に関する活動に参加。料理という身近なものを通じて、韓国の人との交流を深めた。法学学術院水島朝穂教授の憲法ゼミでは、自分たちでアポイントを取り、数多くの人に話を聞くという体験をした。ゼミの夏合宿では、長崎・沖縄などに滞在して、戦争を体験した人やマスコミ、地方公共団体、識者など多くの人に取材。

臼田 華奈子さん (2007年教育学部卒)
 教育学部理学科生物専修。農業・環境・砂漠の緑地化などに興味があり、オープン科目の農山村体験実習講座を受講。そこで出会った仲間と共に学生NPO農楽塾を設立、大隈庭園に田んぼを作る。幼稚園児と一緒に田植え体験などの地域活動も。農林水産省の「緑のカレッジミーティング」にも参加。

田邊 望さん (2007年スポーツ科学部卒)
 早稲田には米式蹴球をやる目的で入学したが半年で辞める。目的を失ってしまうが、再度自分の場所を見つけようとチャレンジ。ディスカッションをするテーマカレッジに参加して、人と対話することに楽しみを覚え、年に20回ほどのディスカッションする場を企画。4年次には所沢キャンパス祭で集大成を発表。

力石 晴子さん (2007年人間科学部卒)
 高校時代から環境問題に関心があり、人間科学学術院天野正博教授の新聞記事を読み、感銘を受け早稲田に進学。天野教授のゼミでは、パナマ運河の流域保全プロジェクトについて学んだ。勉強で忙しい中でも、部活動に積極的に参加。米式蹴球部に所属、4年次には主務を務める。

高戸 佑輔さん (教育学部5年)
1年次からサークル活動に熱中。3年次には広告研究会副幹事長、早稲田祭運営スタッフ渉外局局長を兼任。4年次には、多彩な人々が集まり語り合える場所を造ろうと「10°bar」を立ち上げる。また、多種多様な大学生の活動を世の中に伝えるため『現役大学生による学問以外のススメ』(辰巳出版)を出版。

早稲田の学生生活の魅力と
充実させるコツは?

臼田  早稲田の魅力は、いろいろな人と出会えること。私はオープン科目がきっかけで、学部、学年の枠を越えた人間関係が広がりました。

高戸  僕はオープン科目を取ったことはないんだけど、サークルでもいろんな学部、学年の先輩後輩が一緒に活動してる。何かを求めて常に動いている人が早稲田には多いと思うし、キャンパスが学年割れ、つまり、1、2年と3、4年でキャンパスが分かれてないことも大きな魅力だなと思う。

田邊  大学時代って、自由な時間があるけど、その中で何かに一生懸命になることで充実できると思うね。これは後輩へのアドバイスなんですが、一生懸命に楽しまないことに関して危機感を覚えたほうがいいと思いますね。

桑本  頑張ることには、一人で頑張ることと皆で頑張ることがありますが、大学時代は後者の方を追求しました。一つのことをやる時に皆の個性とか違うから、ぶつかることもあるんだけど、そこを乗り越えてやってきたことで達成感や充実感を味わえたと思います。

臼田  私が取り組んでいたのは農業なんですが、育てる技術、害虫の知識、文化や歴史、経済などたくさんの側面があるんですね。個々にそれらの専門知識を持つ仲間が集って、皆でそれを共有して一つのものを作り上げていくことが、楽しく充実していたなと思いました。

力石  私の場合は、米式蹴球部の主務をしていたので、4年生の11月までは充実感を覚える暇すらなかったんです。でも、今思い返してみると「あの時充実していたんだな」とか「やって良かったな」と思えましたよ。

高戸  いま就活をしているので、過去にやってきた大学時代の活動を書き出してみたんだよね。そうしたら1年生の時は3、4個の活動しかできていなかったのに、学年が上がるごとに活動の幅がすごく広がってた。新入生には授業にもまじめに出たほうがいいよと伝えたいけど。

力石  授業も寝ちゃえばそれでおしまいだけど、まじめに受ければ面白い!

臼田  授業って、学ぶことのきっかけだと思うんです。もちろん授業で学んで吸収することはたくさんあるんだけど、きっかけの一つとして考えると、寝てしまうのは単純にチャンスを捨てることになりもったいないな。

田邊  堅く言えば勉強の部分で、何か一つ自分がこれをやったというものがあるとちょっと良かったかなと思いますね。

臼田  自信になるよね。形になるし。

高戸  授業を通して知識を貪欲に吸収してそれを誰かと議論したりということは、今後はなかなかできないかなあと思いましたね。

桑本  そう考えると「一つも後悔はない」というのはないよね。

臼田  やっぱりやりたいことがたくさんありすぎて、やっておけば良かった、これができなかったとかはたくさんあるし。自分の中で自分なりにまとめていくと良かったかなと思います。

やりたいことがたくさんあり、それらを限られた時間の中で、どうやって取捨選択をしていましたか?

田邊  ただひたすら、楽しいことをする(笑)。楽しいことを深く突き詰めていけば、自分も成長できると思うんだよね。

力石  体育会は逆の考えで、楽しいことなんてめったにない。勝つために今何ができるかが第一で、私の中での取捨選択というのは、「チームが勝つために」だったり、「部活最優先」だったりしてました。
 でも、この経験を乗り越えたからこそ、これから先、何があってもやっていけるなという自信は付きました。今思えば楽しかったって思うけど、その時楽しかったって思えたかどうかは分からない。

高戸  「楽しい」って、FunではなくてInterestingの方だよね。僕の場合、1、2年の時は、ただがむしゃらに目の前のことに夢中になってたんだけど、最近大切だなと思うのは、何をやるにも目的意識をしっかり持つことと、現状に甘んじることなくチャレンジし続けることだと思って。みんなけっこう後悔が残るって言ってたけど、それは向上心の裏返しだと思うんだよね。もっと新しいことにチャレンジしたいという気持ちが、充実した学生生活を過ごすには必要なんじゃないかな。

臼田  私も似たところがあって、1、2年の時は、自分の世界を広げようと興味ある分野にどんどん顔を出していって、そこからだんだん自分の頑張れる場所を絞り込んでいきました。

桑本  好きとか楽しいって相対評価だと思うから、いろいろやって絞っていくのはいいですよね。大学生活は、何もしなければ何もできないという怖い部分も持ってる。「こういうことをしてきました」と言えることは、すごく幸せなことだと思います。

大学生活がつまらないと 言っている人もいますよね?

大隅庭園の稲刈り(左:白井総長 右:臼田さん)
▲ 大隅庭園の稲刈り(左:白井総長 右:臼田さん)
桑本さんたちゼミ生が作成した、水島朝穂ゼミナール夏合宿報告集。
▲ 桑本さんたちゼミ生が作成した、水島朝穂ゼミナール夏合宿報告集。
ゼミ夏合宿での取材(左端:桑本さん)
▲ ゼミ夏合宿での取材(左端:桑本さん)
力石さんたちが制作した米式蹴球部、「早慶戦」のパンフレット。
▲ 力石さんたちが制作した米式蹴球部、「早慶戦」のパンフレット。
『現役大学生による学問以外のススメ』
『現役大学生による学問以外のススメ』執筆の仲間(中央:高戸さん)
▲『現役大学生による学問以外のススメ』執筆の仲間(中央:高戸さん)

桑本  広場症候群といって、一本道なら迷わず真っすぐ進むことができるけど、ひとたび広場に出てしまうと「どっちにいけばいいの?」って分からなくなる人がいる。入学して「好きなことをしていいよ」と言われたとたん、何が好きなんだろうと悩んでしまう。私も1年の時はそうだった。そこから救われたのは「今から会おうよ」と誘ってくれる友人ができたからなんですよ。

田邊  コミュニケーションの場があるのは重要ですね。お堅い話を熱くできる仲間、飲んで楽しい仲間、そんなやりとりができるいろいろな場を持たないとつらいかな。

臼田  高校時代と決定的に違うのは、課題や目標を与えてはくれないこと。待っているだけでは何も始まらない。能動的にアンテナを張る必要がありますよね。

力石  私は高校時代、指導教授の下で学ぼうという明確な目標を持って早稲田に来たので迷うという経験はなかった。けれど「とりあえず早稲田に入りたい」という人でも、入ってから見つける方法はたくさんありますよ。

高戸  僕の高校時代はただひたすらアルバイトばっかりで、夢中になれるようなことを見つけられなくて、夢中になれる何かを探すために早稲田に入学した。広場症候群になる必要もないほどに、大学にはいろんなものが落ちていたと思う。ぱっと興味がわいたものに壁を作らず一歩踏み込んでみたら良いと思う。広場に自分で何か作っちゃってもいいし。

力石  穴掘ったっていいしね、木植えたっていいしね。

臼田  そのために早稲田にある人だったり施設だったりを活用した方がいいよね。もっと欲張りになった方がいい! 自分のためにこの早稲田はあるんだぐらいにね!

高戸  特に新入生は新しい集団に入る時、最初はおびえちゃうかもしれないけど、もまれることって大事だよね。もまれることによって、こういう世界でこれから生きていかなきゃって気になりますし。一人で不安だけど、とりあえず思い切って行ってみたら先輩はすごく優しいはずです。

田邊  ある程度ハードルは高いけど、それを頑張って超えたら、その向こうはすごく楽しいよ。新入生諸君、君の楽しめることが早稲田に必ずあるから探してごらん。

最後に、早稲田の学生生活 とはどんなものでしたか? そこで学んだものは?

高戸  僕は早稲田大学に入って本当にたくさんのことを経験できた。ここは本当の意味で学べる環境だった。何でもできる環境だけがあって、自分で選び取らなければいけないことがとても良かった。バーをオープンさせたり、本を出版したり、どんなことだって、真剣に取り組めば実現できるんだってことを学びました。

力石  部活でも、勉強でも、同じ意思を持つ人との出会いだった。自分も成長できたし楽しかった。環境問題って、森林がどんどん減っていくなどネガティブに考えがちだったりするのですが、では、これをどうしたらいいんだろうと考えていくことでポジティブな姿勢を身に付けてこられましたね。また、早稲田スポーツで頑張っている人を見ることで自分の原動力にもなりました。いろんな人が来ているので出会いもある。皆さんもぜひ一度足を運んで頑張っている人たちを見てほしいと思います。

臼田  私は本当は早稲田を希望して入学したわけではないんです。まあ、やってみないと分からないと思って入学してみたら、いろんな人と出会い、目的を持って過ごすことができて想像以上でした。いろんな経験の中で、学生だから失敗しても次に生かせばいいというチャレンジ精神を学べました。

桑本  私にとっての4年間は、幸せの黄金率を探す時間でした。幸せってどうやったら感じられるんだろうと考えた時に多分、楽しいことと楽しくないことのバランスが、その人にとってジャストであることだと思っているんです。目標に向かって頑張っていける自分のペースや、やり方を見つけてこられた気がします。

田邊  部活を辞めた1年の時は、本当につらかったんです。落ちるところまで落ちて最低の状態を知ったから、今は何をしても楽しい。大学生活の中で結局、一生懸命楽しんでいる人が一番強いんじゃないかと思うようになりました。

 ―皆さん、模索しつつも新しい世界に飛びこみ、自分の世界を拡げることで、充実感を得ていったんですね。また、自分から動き出せば、必ずそれに見合った反応が返ってくる要素がワセダの学生生活には多彩にあるんですね。皆さんのメッセージが、多くの後輩たちに届くと思います。本日はどうもありがとうございました。


(2007年4月19日掲載)

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First drafted 2007 April 19.