進路選択物語 |
青臭さを誇る第一文学部4年 下山 祐治
私は職業を選ぶにあたって、「社会貢献度」を基準にしていた。そして官民問わずに、社会に接する表面積が大きい職に就きたいと思い、入学当時はマスコミを志していた。マスコミは社会に対する影響力が大きく、国民の知る権利に資する仕事を通して社会貢献できるからだ。しかしそのうち、外からマスコミがどれだけ世論を喚起したとしても、結局、社会を支える制度をつくるのは中で働いている「官」であるということに気が付いた。「官」には利益追求という使命もない分、国民全体に対する仕事ができるという面もある。そこで、中で働き、時代に合った社会システムを構築することで社会貢献する、「官」の仕事に興味を持ち始めた。だが、「官」に魅力を感じていたとはいえ、3年の夏以降もまだ悩みに悩んでいた。 そんな中、昨年の10月下旬、早稲田で行われた人事院主催の本府省説明会に興味本位で参加してみた時のことだ。「官僚なんてどうせ頭が固く、人を見下したような態度を取るに決まってる」と思っていた。しかし、目の前にいた某省官僚はそれとは真逆の人物だった。人間味があり、礼儀正しい。そして何より「この国のため」日夜頑張っていると、一点の曇りもなく真剣な眼差しで語っていた。私もこうなりたいと強く思った。自分の血が逆流するような興奮を覚えた。 その一方で私は何年経っても「自分が何のために働いているのか」が明確に実感できるような仕事に就きたかった。社会に出て大きな壁に挫けそうになったときにそれが明確であれば、壁に屈することなく頑張れると思うからだ。その点、この仕事なら何年経っても「この国のため」に働いていると自信を持って答えられると確信している。 今は「官」に対する世間の批判は激しい。しかし私は「この国のため」という明確なビジョンの下、職業人生を懸けられることを、幸せなことだと思っている。この青臭さを忘れずに、入省してからも精進していくつもりである。 (2007年1月11日掲載) Copyright (C) 2007 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.First drafted 2007 January 11. |