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第一・第二文学部「アウシュヴィッツと現代」
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▲ 山本浩司文学学術院助教授
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アウシュヴィッツという言葉を聞いて思い起こすのは、ナチス政権によるユダヤ人の虐殺である。そして、ホロコースト、ゲシュタポ、といった歴史用語たちが脳裏をかすめる。しかし、ユダヤ人の絶滅計画が組織化されたヴァンゼー会議から65年が経過しようとしている現在、日本の私たちにはアウシュヴィッツ強制収容所の出来事は、夢物語のようにしか感じられない。これは当然のことと言えばそれまでである。何しろそれは遠い外国の昔の出来事であり、現実的に感じることは困難であるからだ。しかし、それを覆すのがこの講義である。
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▲ 第一・第二文学部合併科目だが、他学部からも学生が集まる。筆者は写真右端
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この講義を受けて、アウシュヴィッツでの出来事から表面的に世界史の一部として学んだ時とは違った印象を受けた。詳細を知ることにより、アウシュヴィッツが現実味を帯びてきたのである。ガス室の構造の話で、ベルトコンベアで運ばれるユダヤ人の死体のことを知った時、彼らはモノとして扱われたのだということを感じとった。驚愕である。アウシュヴィッツという場所の深淵さを垣間見た気がした。しかし、同時にそれは、実際にアウシュヴィッツに関わった者でなければ到底到達できない深淵さであるように思えた。そして、たとえそこに到達できないにしても、アウシュヴィッツの深部まで見ようとすることが重要なのであろう。そうすることで過去を個々に解釈し、未来につなげることが可能であるからだ。この講義はそのような面で役立っている。7人もの先生方の興味深い話を聴くことができ、一つの事象を多面的にとらえるのにも有用であった。
聴き手に、考える機会を多く与えてくれる講義、それが「アウシュヴィッツと現代」である。そして、多く考えることにより、聞き手である私たちはより豊かな人間となれるであろう。
最後に、私たちが豊かになるきっかけを与えてくださった先生方に感謝をしてこの講義紹介を終わりたいと思う。
(2007年1月11日掲載)
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