進路選択物語 |
公務員という選択社会科学部4年 吉田 拓己
私は幼少のころから「公」のために努めることに漠然とした憧れを抱いていた。というのも、身近に身体障がい者がおり、その苦労や不便さを見てきたからである。一緒に歩いていても、まだバリアフリーは不完全であるし、社会の誤解も残っている。私が将来の仕事を決める過程で「公務員」という選択肢が浮かんだのは、ごく自然な流れであった。 私が大学に入学すると同時に姉が国家公務員となり、義兄も警察官であったことから、その思いは大きなものとなった。だが私は一歩を踏み出せずにいた。公務員になるためには多くの時間を費やしてたくさんの科目を勉強し、高い倍率の試験に通らなくてはならない。昨今の公務員人気を見ると、公務員は狭き門である。自信がなかった。 しかし大学2年時に、「生命のメッセージ展」という生命の大切さを訴える展示会のスタッフを経験し、多くの人々や価値観と触れた。そしてすべての人が安心して暮らせるような社会づくりをする仕事をしたいと思うようになり、私の心は次第に公務員に傾いていくようになった。同時にそのころから「民間を併願しておくか否か」について迷い始めた。多くの公務員志望者が悩むところが「民間との併願」についてであろう。就職浪人などをして親に迷惑はかけられない。ただ私の性格上、一度にたくさんのことを両立できないことが分かっていたので、公務員一本で進むことにした。「やりたいことをやりなさい」という親の言葉も支えになった。 3年の春には気持ちも固まり、予備校に通い夢中で勉強した。周囲が就職活動を始めた時も迷いはなく、友人には「公務員一本で行く」と公言した。周りはいつも応援してくれた。勉強はやはりつらかったが、同じ目標を持った仲間との出会いもあり、何だかんだで楽しかった。 民間の内定が出始め、多くの友人が進路を決めているころ、私の試験が始まった。いざ始まるとそこからの月日はとても早かった。結局私は3つの地方自治体に合格することができた。常に目標を持って取り組み、本番ではいい意味で開き直れたのが良い結果につながったのかもしれない。 (2006年12月7日掲載) Copyright (C) 2006 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.First drafted 2006 December 7. |