進路選択物語 |
自分だけの努力
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▲ 文章を推敲する筆者
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「就職はあまり考えていない。もしくは就職したとしても普通の就職はしたくない」
これは第一文学部の授業の中で、ある先生が当学部の学生たちのことを指して言った言葉である。
これを聞いて「なるほど、その通り」と大きくうなずいたものだ。文学部生全員がそうであるわけはないが、私自身は先生が指摘された通りだからである。
私は第一文学部の文芸専修に所属している。書かれた文章をどう読み解くか。伝えたいことを言葉を使ってどのように表現するか。これらのテーマを突き詰め、文の道を極めていく。そういった専修である。よって、作家をはじめ文筆業を目指す人がおのずと集まってくる。私もそう。いつか作家として認められることを目標に掲げている。そのために技術、感性を磨く大学生活があり、そしてその先がある。創作活動を続けていく中で仕事を得、夢を叶える機会をつかみたいと思う。これが私が(企業に入る意味での)就職を考えていない理由である。
モラトリアムではない。やりたいことがあるからこそ就職をしないのだ。これが私の考えである。だが、多くの学生にとって就職をしないことは、周囲の反対を受ける容易ではない選択かもしれない。では私の場合はどうか。私は幸運なことに、親には「自分のしたいことをしなさい」と言われている。そして、周りの友人も同じような夢を持ち、努力している人ばかりだ。彼らと腕を磨き合う場がまさに大学である。このように考えると、私は理解ある家族や友人をもって初めて可能な選択をしていることになる。彼らには感謝せずにはいられない。
世の中には“非”就職を非難する声も存在する。その点で私は恵まれた環境にいる。だが、それに甘えることなく、目標を現実のものとするため努力し続けたい。
私のように、就職を考えていない仲間たちに言いたいのは、次のことだ。「あなたは、簡単に周囲の理解を得られる環境にはいないかもしれない。だが同じような選択をした人たちを私は何人も知っている。仲間たちの存在を思いつつ、目標に向かい自分だけの努力を重ねてほしい」
(2006年10月26日掲載)
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