ミニコラム |
私のイッピン(1)
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▲ 「カラヤン・マフラー」をかける伊藤さん
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▲ カラヤンの墓碑に献花するワセオケメンバーたち
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伊藤さんが取り出したのは、真っ赤なマフラー。一見、何の変哲もないマフラーだが、代々引き継がれている「カラヤン・マフラー」と呼ばれるものなのだ。
「20世紀を代表する指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが亡くなられた際、当時のワセオケ代表が永久名誉顧問の田中雅彦先生と共にお葬式に参列したんです。その時に『カラヤンの音楽への意志をワセオケでも引き継いだら』と、田中先生からマフラーを譲り受けたんです」。生前のカラヤンは、自身が才能を認めたサウンドデザイナーやレコード会社社長などに、マフラーの着用を薦めたという。マフラーの着用を認められた人々は「カラヤン・マフィア」と呼ばれ、そのマフラーはカラヤンに認められた証といえるのだ(田中先生のマフラーは、ワセオケのCD作成の打ち合わせの際、カラヤンに着用を薦められたそうだ)。
毎年3月の卒団式の際、この「カラヤン・マフラー」は、前代表から新代表へと受け継がれる。マフラーを「かけるだけ」が、カラヤン・マフィアのスタイルだそうで、「前代表からマフラーをかけてもらった際、うっかり首に巻いてしまったら、みんなに一斉に非難されました(笑)」(伊藤さん)
ワセオケとカラヤンのつながりは、1978年、第5回国際青少年オーケストラ大会(通称:カラヤンコンクール)で、ワセオケが優勝したことに端を発する。翌年、本学によるカラヤン氏への名誉博士贈呈式の際には、カラヤンの指揮で公開リハーサルを行ったことも。
今も海外公演でヨーロッパを訪れる際には、団員全員でオーストリアにあるカラヤンの墓碑を訪れ、一人ずつ献花をするという。
「このマフラーは、“カラヤンイズム”や伝統あるワセオケの価値観を象徴するもの。だから、マフラー自体は軽いんですが、その責任の重さを痛感するんですよ」
伝統あるワセオケならではのイッピンだ。
(2006年10月19日掲載)
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