研究室探訪

―オープンサロンへの入り口―
 西早稲田キャンパス19号館 アジア太平洋研究科教授 東出 浩教 研究室


常に開いている研究室の扉。
▲ 常に開いている研究室の扉。真ん中に貼ってあるホワイトボードは学生と先生の間の伝言板
学生からのおみやげも数多く並ぶ
▲ 学生からのおみやげも数多く並ぶ。これはベトナムからの留学生にもらった絵で、故国に帰っていく学生の後ろ姿を思い出させるのだとか
ベッド代わりにもなるソファ
▲ ベッド代わりにもなるソファ。たいていはこのあたりでくつろいでいる。奥にデスクもあるが、「まじめに勉強しなければいけないとき以外は座らない」そう。

 大きく開け放した扉の中をのぞくと、正面に座る東出先生が優しい笑顔を向けてくれた。その温かさにひかれて思わず足を踏み入れたくなるここが、東出先生のサロン兼研究室である。「よほどのことがない限り、いつも扉は開けているんです。閉めるのは、寝ているときだけかな」。丸テーブルに大きなソファ、BGMはイギリスのジャズ。開放的で居心地の良い研究室には、多くの学生が訪れる。「学生と距離感がない方が好きなんです。どちらかが上とか下とかの関係だったら、好きなことを話せませんよね。そうなるとお互い学べるものも少なくなってしまうと思います」

  先生の考え方のルーツは英国留学時代。アート系の人が多いエリアに住んでいたため「自由な発想で表現したいものを表現できれば、最終的な満足度が高まる」という考え方が体に染みついたのだとか。大学での授業スタイルにもそれは表れており、「講義」ではなく「対話」を常に心がけている。「個人のやりたいことがまずあって、それを手伝うのが自分の役割だと考えています。学校という仕組みの中に個人が生きるのではなく、別々の個人をまとめる仕組みとして学校があるのだと思いますから」

  そんな先生の夢は、研究室の中だけではなく廊下のスペースも使ってオープンスペースサロンを作ること。「あくまでも希望ですけど、クリエイティビティや社会を見る目について学生と語り合う場にできたらいいな、と。あと、新入生が来たときには映画『Let It Be』のように、この建物の屋上から大音量の音楽を奏でて歓迎パーティーもしてみたいですね」。学生に対して惜しみない愛情と情熱を注いでいる東出先生。英国仕込みのサロンはまだまだ広がりそうだ。

(2006年10月12日掲載)

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First drafted 2006 October 12.