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クライミングの魅力山岳部主務 第一文学部3年 後藤 一郎
私たち早稲田大学山岳部に対して、皆さんはどういった印象をお持ちだろうか。とてつもなく重い荷を背負いながら、うなり声を上げてただひたすら登り続ける汚い山男集団か。それとも、双眼鏡片手にお花畑をスニーカーで歩くような自然愛好的少年集団か。もちろん実態はそのどちらでもなく、より複雑だ。自身を追い込むようなトレーニングも、自然を愛する心も、山岳部には重要であり、活動そのものを構成する諸要素であることは間違いないからだ。しかし、私たちの活動の根底は、さらに特殊な要素によって占められている。それはロープの存在だ。私たちはロープを使ったクライミングをするのであり、それが山岳部に他ならない。 ロープの意味するところは安全の確保である。つまり、事故を未然に防ぐためにロープが存在するのだ。逆に言えば、事故の起こるような危険な場所にわざわざ赴くのであって、そこが他の人に理解してもらえないところでもある。しかし、未知の境地に到達しようとする冒険心の充足にはもってこいであり、何よりクライミングそのものが純粋に楽しいのである。そもそもスポーツとはそういったものなのではないだろうか。 具体的な活動内容を挙げると、意外にもバリエーション豊富だ。縦走、沢登り、ロッククライミング、雪山、スキーなど。以上に挙げた例も、山にあまりなじみのない人にとってのある種不正確な分類であって、専門的に区分すればきりがない。つまり山岳部とは、ある程度活動内容を選択する余地があり、自分にあった楽しいクライミングを追求できる場だ。実際、現部員の求める登り方は千差万別であって、同じことをするにしても楽しみ方は千差万別だ。 あまりなじみのないスポーツゆえに、分かりやすい形で成果を報告することは難しい。強いてあげるならば、昨年の夏に、フランスとイタリアにてヨーロッパ・アルプス合宿を行ったことだろうか。日本では決して味わえないような経験の数々に、技術や体力はもちろんのこと、思考回路そのものまで大きく変わってしまった。私たちが今まで続けてきたクライミングがいかに視野の狭いものだったのか、いかに実力不足だったのかを思い知らされたのである。徹底的な、合理化と技術養成、それが私たちの次なる課題だ。 1920年創部という長い歴史がある一方、今年度は3年生主体の部員構成であり、経験不足は否めない。今後はとにかく実力を付け、海外合宿やフリークライミング合宿などの新しい活動、つまり現クライミング界において前衛的だと言われていることを、どんどん取り入れていきたいと思う。そして何より、他の人に伝わりにくく、分かりにくい私たちの活動を、より多くの人に知ってもらえるよう努力していきたい。
(2006年7月13日掲載) Copyright (C) 2006 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.First drafted 2006 July 13. |