ぐろーかる・らうんじ ―世界から早稲田へ―

From Nepal to Waseda
社会科学部1年 Gauchan, Alisha(ガウチャン・エリサー)さん


Gauchan, Alishaさん

高齢者を敬い、世代間交流が盛んなネパールの慣習

 ネパールで6カ月間日本語を勉強し、2年前の秋に来日。ファーストフード店でアルバイトをしながら新宿の日本語学校に通い、今春早稲田へ入学した。来日当初は生活に慣れるまで、さまざまな苦労があったという。「生活も大変でしたが、とくに食事が大変でした。カレーに代表されるネパール料理は辛いので、日本の食事は味が薄くて甘く感じ、食が細くなりやせてしまいました。今ではすっかり慣れて納豆も食べることもできるんですよ(笑)」

ネパールのカレンダー
▲ ネパールのカレンダー。数字も月のカウントも西洋式と異なる
彼女の育った、美しい山々に囲まれた土地ポカラの絵葉書
(C) Himalayan Map House Pvt. Ltd
▲ 彼女の育った、美しい山々に囲まれた土地ポカラの絵葉書。生まれた土地ムスタンでは蕎麦の産地で有名だが、日本のように麺にするのではなく、葉そのものを炒めて食べる。

  ネパールと比べて日本の物価はとても高く、日本での生活は決して楽ではない。そのため学費はアルバイト代と親戚の援助でまかなっている。「求人雑誌で見つけた、早稲田界隈の牛丼チェーン店のアルバイトでは、早稲田の友人が多くできましたし、大変ですが接客を通じて日本の文化を勉強する良い機会になっています」。

  ネパールでは、4つの異なる肌の色をした36民族がそれぞれの部族の言葉を持ちつつ、ネパール語を共通語としながら共存している。「私の属するThakaliという部族はとても少人数なので、子孫を残すためにも、お互い助け合う文化があります。ネパールでは2世代が同居し、親は子どもが自立するまで支援し、子どもは成人したら親の面倒をみることが通常です。また、部族のお祭り行事が多く、お年寄りは尊敬され大切にされますし、その都度親戚が集まり一緒に祝うため、上の世代と下の世代が親密です。それに比べて日本は、若者と大人たちがそれぞれの世代のことで忙しく、コミュニケーションが希薄に思えます」と、日本の都市部で顕著な世代間離れの問題を指摘した。

世界へ羽ばたく女性に

 彼女は小学校6年生まで、観光地としても人気で美しい山や湖がある景勝地ポカラで育ち、その後親元を離れ、寮や親戚の家に住みながら首都カトマンズの学校に通った。「私は、小さい時から、多くの女子がkurta surwaalという伝統的衣装をまとうことが多い中、男の子のように半ズボンをはいて学校に通っていたんですよ」。

  ネパールの識字率は36.5%で、小学校も中途退学が非常に高く、その大半が女性だという。彼女のように外国で勉強をする女性はとても珍しい。「私の周りの女性の多くも幼い頃から、学校に行かず家事手伝いをし、若くしてお嫁にいきました。幸い私の両親は『教育が大切だ』という考えを持っていたため、理解を得ることができたのです」。

  ネパールでは珍しく自立した女性を目指す彼女は、「将来は大学院にも進学し、国連のNGOで働きたいと思っています。国連が一番NGOではっきりした計画を持っていると思うので」と目をキラキラさせて夢を語る。きっと人一倍頑張ってきたであろう彼女のたくましさが、いつかその夢をも実現させてくれるだろうと感じた。


(2006年6月22日掲載)

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First drafted 2006 June 22.