進路選択物語 |
進学か就職か、それが問題だ
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▲ 研究室で実験に励む筆者
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「就活するの?」 3年前期からよく聞かれた。私の属する学科は7割以上の学生が大学院に進学する。スーツで通学する私を見れば、自然な質問だ。
社会を知りたいという興味から、3年の夏にインターンシップに参加し、「会社で働くこと」は自分自身をより成長させると確信できた。だから9月以降も就職活動を行なった。しかしOB訪問、企業説明会、採用試験を受ける中で、ある葛藤が生まれた。なぜなら大学院進学も視野に入れて就職活動をしていたからだ。「まずは今、勉強している分野をもっと究めてみたい」。そんな気持ちも確実に自分にあった。
大学院で修士課程を修了後就職するのと、学部卒の就職では、2年の差がある。後者では実務を早く経験でき、仕事を通して自分の成長を感じられる。収入も出会う人々の可能性も学生時代以上のものだろう。大学院進学でさらに両親に学費負担をさせるのは忍びない。理系を志望した高校時代の選択でここまで来たが、高校時とは違う現在の感情がある。しかし、大学院進学にひかれるのは「ここまで来たからにはとことん専門分野をやってみたいという想い」があるからだ。悩んでいた。
OB訪問の際、そんな思いを素直にぶつけてみた。すると、「力をためる準備期間があってもいいじゃない」と言われた。ある人からは、「学生っていいと思う。やろうと思えば好きなことができるから。社会人になったら第一に仕事を考えなきゃいけないからね」と。
まずは専門の勉強。同時に、学生の立場から他にもやりたいことをやり、自分のできること、できないことをあらゆる面から考えてもいい。最終的に私は大学院進学を決意した。就職活動やOB訪問等の行動が、新たな発見を生んでくれた。
現時点では、自分が将来技術者や研究者として働く姿を想像できない。まだ技術者や研究者のことをほとんど知らないので、何とも言うことができないというのが正しいかもしれない。とことんやり尽くして「成し遂げたいことは研究者や技術者を通してではない」と後に分かってしまったとしても、それで十分であり、悔いはない。
(2006年6月1日掲載)
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