学び ふたたび

人と接してなんぼ!の人生


日本語教育研究科修士2年 小蜥テ 智子

小蜥テさん

 「人と接してなんぼ!」が私のモットーである。人と接して何かを感じ、それが学びへとつながる。

  英語の専門学校を卒業後、貿易会社に勤務し、1998年から日本語教師として、念願だったベトナムに赴任した。こう書くと、簡単に夢がかなったようにみえるが、そうではない。貿易会社で働きながら日本語教師養成講座に通い、退職後ベトナムに赴任するまで約2年。その間はいわゆる「フリーター」だった。しかし、この2年は私にとって遠回りではなかった。多くの職種を経験し、多くの人と出会い、学んだからである。今でもその頃の友人に会うが、年齢・職業の枠を越え、互いの志を話し合える刺激的な関係である。やはり「人と接してなんぼ!」なのである。

  ベトナムでは一般クラスと研修生クラスを担当していた。当時ベトナムでは、日本国内での外国人労働者の需要に伴い、研修生を対象とした日本語クラスが増加。同時に、来日前の日本語教育における日本人教師の役割の見直しが求められた。そんなとき、学習者に「私はベトナム人だから日本人のような言い方をしたくないし、勉強したくない」と言われ、自分の指導を省みるきっかけとなった。そして、「日本人への同化を学習者に意識的または無意識的に期待していたのではないか」、「どのような日本語教育が必要なのか」、「なぜここで日本語教師をしているのか」という疑問を抱えたまま教えることに限界を感じ、大学、大学院進学を決意した。

  帰国後、日本語教師をしながら、夜間の大学の日本語学科を卒業。多種多様なバックグラウンドを持った同級生と学び、いつでも社会に戻れるスタンスで日本語教育に取り組むようになった。

  大学院では、理論と実践の両面から学び、日本語教育という共通の志を持った仲間と、互いに切磋琢磨し合える環境に満足している。同士との議論を通して、自分の知識の無さを痛感することが多いが、それがまた学びへとつながり、人と接する楽しみを味わう。そして、何より、このような素晴らしい環境で勉学・研究に専念できるのは夫のお陰だと感謝している。

  卒業後はベトナムで暮らすことになるが、大学院での経験を活かし、魅力的な授業を行いたい。そして、多くの人と接し、いつまでも学び続ける人でありたい。

(2006年4月6日掲載)

Copyright (C) 2006 Student Affairs Division, WASEDA University. All rights reserved.
First drafted 2006 April 6.