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2005年度後期分 目次






海で過ごした4年間


 私は大学からヨットを始めた。早稲田にはたくさんのサークルが存在しいるが、なぜ体育会を選んだかというと「日本一になる」「集中して取り組む」という明確な目標があり、大学時代でしかできないと思ったからだ。加えて、先輩たちの人柄。なかでも、ヨット部は「やるときはやる、楽しむときは楽しむ」というメリハリがしっかりしていると感じたので入部した。

  極寒の冬の海や、強風のときは嫌になるほど苦しいが、それでも練習しなければならない。こうした試練を乗り越えて、本番のレースに臨むため、精神力は徐々に強くなっていった。また、小松一憲コーチ(アテネオリンピックセーリング日本代表選手団監督)からのきめ細かいご指導により、ヨットの理論はもちろん、掃除の仕方やあいさつまできちんとした生活態度を身に付けることができた。

  他の部の主務の方々も同じように思っているかもしれないが、主務は主将を支え、そして部員を支える黒子的な存在だと思う。部の予算を組んだり、宿泊先の手配や口座の管理など複雑な仕事を要領よくこなさなければならない地味な存在ではあるが、部員が喜んでくれたり、うまく事が運んだ時は非常にうれしいものだ。

  私は、他の同期よりも覚えるのに時間がかかり、人一倍迷惑をかけてしまった。そのため、いつ辞めるかしれない危うい存在だったと思う。そんな時、真剣にフォローし続けてくれた皆に心から感謝したい。その優しさは忘れない。

  全日本インカレでは、470級2位、スナイプ級3位、総合3位という具合いに、ヨット部は着実に成績を上げているので、ぜひこれからに期待してほしいと思う。

  最後にOB、競技スポーツセンターの皆さまからご支援していただいたことに、この場を借りてお礼申し上げたい。後輩のみんなには、さらに強いヨット部を築いていってほしい。自身も、これからも微力ながらもずっと支えていきたいと考えている。

  4年間どうもありがとう。そして、4年間過ごしてきた海へ感謝。

  ヨット部の活動をもっとご覧になりたい方は、左記Webサイトへ。
【URL】http://www.wasedayacht.net/

(ヨット部 主務  社会科学部4年 土田 吉浩)

(2006年1月19日掲載)

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First drafted 2006 January 19.



ホームステイのスナップショット



▲ 左から、おばあちゃん・筆者・久美子。

 9月の終わりにカナダから成田空港へ到着するまで、私は日本の家族と1年を過ごすことにまだ実感が持てないでいた。しかし空港でホストファミリーとなる久美子の笑顔を見た瞬間、この1年は素晴らしい年になるだろうと確信した。それから2カ月経った今、私のホームステイ体験はその通り、刺激的で居心地の良いものとなっている。

  私のホストファミリーはお父さん、お母さん、早稲田大学を卒業したばかりの久美子と、3月に結婚して現在四国に住んでいる兄、篤史の4人家族だ。それに猫のパーちゃんとサクラも加えれば6人家族! 家族全員が大の猫好きなため、この家の猫の持つ支配権といったら相当なものだ。

  まず最初にお母さんの料理について言及したい。17歳から一人暮らしをしていたが、今まで食べることは、それほど関心もなく、インスタントラーメンとレトルト食品だけで生きてきた私にとって、家に帰ってくるとテーブルに新鮮で温かい食事が用意されているということは、どんなに素晴らしいことか! それに加えて、お母さんは料理がとても上手だ。お母さんの料理の質はレストラン級なのに、味はとっても家庭的。1カ月、同じ料理が出てきたためしがない。カツ丼、親子丼、お好み焼き、おでん、鍋、それにもっともっともっと。本当においしい! 授業中に眠くなると、「今日はお母さん何をつくってくれるかな?」と考えて、目がばっちり、覚めてしまうほどだ。

  とても優しくてエネルギッシュな久美子を姉としてまた友人として持てたことは本当に幸運だった。一緒に買い物をしたり、ビデオを見たり、秘密を共有したりさえする。こうしたホームステイならではの姉妹関係もまた格別だ。

  この2カ月間、家族は言葉に始まり、お風呂の入り方といった日本の生活様式まで手取り足取り教えてくれた。こんなに東京を楽しめているのは本当の家のように過ごさせてくれる家族のおかげだろう。バンクーバーに戻ってもずっと長い付き合いを続けていきたい。

(国際教養学部 交換留学生 Linciya Li(リンシャ リー))


* ホストファミリーになってみたい等、ご興味のある方は国際教養学部事務所までお問い合わせください。
【TEL】03-5868-1727

(2006年1月12日掲載)

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First drafted 2006 January 12.



赤黒への思い


「赤黒」ジャージ

 毎年12月の第一日曜日に開催されるラグビー早明戦。対抗戦の最終戦であり、日本ラグビー界の最高峰とも言われる舞台である。ここに出場できるのは一チーム、リザーブを入れて22人。早大ラグビー蹴球部は140人ほどの選手がいるので、本当に限られた者しか出場できない。選手たちはこの舞台を夢見て早稲田を受験し、その夢をかなえるために、幾度となくきつい練習を血と汗と涙そして熱き情熱をもって乗り越えてきた。そしてその、選手たちが国立競技場のグラウンドに立っている。

  今回はそんな早明戦の前日に、何が行われているのかをお伝えしよう。試合に出場する選手たちは、試合前日に最後の調整練習をする。それを試合前練習といい、すべての部員が見守る中で行われる。試合に出られない自分たちの思いを試合に出場する選手に託すのである。ただ、それだけでは終わらない。試合に出られない選手は、その次の試合に出ることを夢見て練習試合や部内マッチを行い、自分をアピールするのである。彼らの戦いは終わっていない。時に部内マッチは壮絶な死闘を演じることもある。4年生にとっては、もう一生迎えることがない最後の早明戦前夜でもあるのだ。そんな夢破れし者たちは、その悔しい思いすべてを部内マッチにぶつけるのである。試合に出場する選手たちは、試合に出られないすべての部員たちの姿をしっかり目に焼き付け、翌日に戦うのである。自分たちの後ろには試合に出られない仲間がいる。彼らの分まで責任をもって戦うのだと。

  試合前夜、最後の試合前ミーティングが行われ、試合に出場する選手たち、監督などが同席する。ミーティングの最後、並べられた22枚の赤黒(臙脂と黒のジャージ)に監督が清めの塩をまき、お守りと一緒に選手に手渡し、握手をする。そんな神聖な場でもある。過去には、この瞬間に数々の名場面が生まれたとされている。そして、監督をはじめ試合に出場する選手たちが、一枚の紙に思いを記す。ミーティング後、試合に出られない選手も寄せ書きをする。その紙は早明戦当日には、控え室にはられ、出場する選手はその紙を見つめ、全部員の思いを読み返しながら試合に備えるのである。時にその寄せ書きを見て涙する者もいる。選手は部員すべての熱き思いを胸に闘うのである。イラクで凶弾に倒れた奥先輩の思いも胸に。すべてはチームのために。

(2002年度ラグビー蹴球部主務 本学職員 竹内 大)

(2005年12月8日掲載)

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First drafted 2005 December 8.



企業調査@ジャカルタ


 先週フィールドワークを終え、インドネシアのジャカルタから日本に戻ってきた。日本はすでに肌寒い。

  作業を終え、寝ようとする頃、午前2、3時に「アッサラームアライクム。サウ〜。サウ〜サウ〜サウ〜〜〜」という声が夜な夜な、宿泊している友人宅の隣のモスクから大音量で流される。現地はラマダン(断食月)。部屋を共にしているインドネシア人の友人は起き、あくびをしながら礼拝を始める。太鼓の音が鳴り響く。毎夜の睡眠妨害。そのような状況下で連日調査に出かけなければならなかった。

  私のテーマは「華人企業における多文化状況下の組織文化研究」で、東アジア共同体が構築されつつある中の、アジア民族の協力関係、社会生活の事例を研究している。人類学では組織論として扱われるが、現地で政治学者、経営学者も同様の研究をしている。学生が調査に来ても日常業務の邪魔になるのだが、わたしを受け入れてくれたA社では専用の個室が与えられる歓迎ぶりだった。連日、クリスチャンである職員と食事した。「技術系でない若い日本人は初めてだ」とのことで、彼らと気さくに話すことができた。概してインドネシアは親日的だ。課長は日本アニメオタクでもある。日本の声優が好きらしい。

  ある朝、大事件が起きた! いつも通り会社に行くと職場の雰囲気が慌しい。なんと昨日会社が買収されたという。私は非常に驚いたのだが、当の社員は意外にも冷静だった。「A社って名前からアラブ系と勘違いされるのよ。買収で、社名がかっこよくなってうれしい」。変化はチャンスというのが彼らの認識。

  ジャカルタ、そこでは華僑、ムスリム、クリスチャンが混在しながら、仲良く働いていた。多様な民族が混在するインドネシアではグローバル化の影響を受けながらも、独自の組織文化を育んでいる。

(文学研究科修士2年 矢島 景介)

(2005年12月1日掲載)

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First drafted 2005 December 1.



本がかわいそう!


 卒論を書き始めて、あらためて感じるのは、「早稲田の図書館は、何と充実しているのだろう」ということである。AVホールも完備し、マイクロ資料や映像資料をはじめ、2百万冊という蔵書を誇る中央図書館を筆頭に、戸山図書館、理工学図書館、高田記念研究図書館、所沢図書館、加えて各学部には読書室が設置されている。学部生は閲覧のみではあるが、演劇博物館には演劇に関するあらゆる資料がそろっている。しかも、オンラインシステムによって、各図書館や図書室の蔵書情報に自宅からでもアクセスできる。ついうっかりして返却日を忘れていても、メールでお知らせが届くといった、きめ細かいサービスである。

  私は借りてきた本を読み始める時、自分が重要と思う箇所をマークするため、手元に「しおり」を用意する。そう、皆さんの中にも不快に思う人がいるだろうが、本のいたるところに鉛筆で引かれた線や、「 」などの書き込みがされていることも少なくない。本に印をつけた人たちに「一体全体どんな奴なんだぁ!」と腹が立ち、いつも寂しい気持ちになる。中には色鮮やかなマーカーで印をつけられてしまった本さえある。消しゴムで消そうにも消すことのできないかわいそうな本に出会うと胸が痛む。「次に借りる人が重要なポイントを探さないでいいように印を残してやっているんだ」などという人がいるという。なんと情けない考えだろうか。

  自分のために購入した本には、どんなに書き込みをしてもかまわない。何年後かに再読したとき、かつて書き込みした自分の考えと今の考えの違いに驚くなどといった経験は素敵なことだと思う。だが自分が貸してあげた本に書き込みがされていたら、棒線が引かれていたら、どんな気持ちになるだろうか? 想像してみてほしい。

  コピーができる現代、重要なページはコピーしよう。図書館の本はあなただけの本ではないはずだ。図書館の受付で、今日もスタッフの方が消しゴムを片手にページをめくっている。

  皆さん、どうか本を読むときはそばに「しおり」を忘れないでね。

(第二文学部4年 西山 真知子)

【編集室注】 図書館では資料の劣化・カビ防止のため、ポストイットの使用は認めていません。

(2005年11月17日掲載)

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First drafted 2005 November 17.



留学へと導いた執念


 英検1級やTOEIC900点超などというただ俗っぽい目標にがむしゃらに勉強していた僕が、ある日フランス人の留学生と英語で会話をしたら、全く話にならなかった。自分自身を徹底的に崩されるような経験だったが、一方で、「英語」の可能性を感じる瞬間でもあった。英語を極めれば、その先に無限ともいえる人間との出会いがあるような、そんな可能性を感じたのだ。そこから執念のように「留学して、英語力を叩き上げ、その先の世界を見たい」、そんな情熱がわき上がった。自分には「留学」しか見えなくなっていた。

  運良く仕事の合間に勉強もできる泊まり込みのアルバイトを見つけ、ひたすら働いた。昼間も語学勉強にかじりついたが、目指す目標を考えると不思議とツラくはなかった。交換留学費用は100万円! まだ足りないと思っていた時、偶然にもバイクで接触事故に巻き込まれてしまった。不幸中の幸いとはこのことだろうか? 皮肉にも保険金が入り、それが経済的に後押ししてくれる結果となった。

  そうして念願の夢がかなった! アメリカでの1年。それは人生の中で一番充実した時間だった。日本で培った執念が、留学中どんなにつらい時でも、何があっても、1秒たりとも無駄にはできないという緊迫感となり、自分自身を突き動かしてくれた。何より僕が得た最高の宝は、多くのCOOLなアメリカ人の友人、世界中から集う学生たちに出会えたことだ。毎晩飽きることなく、彼らと語り明かした日々が懐かしい。アメリカは「人との出会い」において無限大の国のように思う。アメリカというもう一つの文化を手に入れたい、そう思うまでになった。

  満足するまでこの国に残りたい、今はそんな執念に再び燃えている。もぎとったアメリカでの日本語教師職が突然キャンセルされたり、決してすべてうまくはいかないが、それでも何とかアメリカに戻ってこられた(帰国後、卒業してすぐに渡米。現在アメリカの大学院に通っている)。今は何がどうなるか分からないが、いつまでも情熱を燃やし全力でぶつかりたい。そして自分の夢をこの手でかなえたいと思う。

(2005年9月 政治経済学部卒 斉藤 一弥)

(2005年10月27日掲載)

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First drafted 2005 October 27.



チューターになって学ぶ


 皆さんはチューター制度をご存じだろうか。簡単に説明すると、この制度は、指導教員が日本語や専門の勉強をする上でチューターが必要だと認めた場合(大学院生以上)、同じ研究室の学生をアドバイスのためにチューターとして雇ってくれる制度だ。

  この制度を知ったのは、現在チューターをしている韓国人留学生の友人から、「チューターになってもらえないか」と声をかけてもらったことがきっかけだった。私は日本語を教えることに関しては全くの素人であり、また何の資格も持っておらず、正直、謝礼をいただく制度だということに少し抵抗があった。しかし、私自身がまわりの友人に助けてもらってなし得た留学経験がある。その感謝の気持ちから今度は、自分が日本で学ぶ留学生を手助けしたいと思い、引き受けることにした。

  チューターになってみて感じたのは、想定していた通り、「日本語を教えるというのは、なんて難しいのだろう!」ということ。教えるよりも、教えられることの方がよっぽど多いような気がする。私たちの場合、チューターを始めた当初は、英語が共通語だったため、お互いに英語で意思疎通をしていた。それを日本語で表現しようとすると、今度は母国語であるのにも関わらず、自分自身のボキャブラリーの乏しさを感じることが多々あった。また一対一ゆえに、フォーマルな表現に直してあげることは容易でも、よりくだけた日常の話し言葉にしようとすると、どの程度どのようにくだけさせたらいいのか、意外と戸惑ったり難しかったりする。

  お互いに授業や課題で限られた時間の中、自分にできることはわずかだと感じているが、ネイティブとできるだけ多く会話することが何よりの上達法だろうと考え、その手助けになれたらと思い、頑張っている。同時に友人の目覚しい上達には、いつも驚かされるとともに、私にとって良い刺激になっている。このような活動を通して、日本で学ぶ留学生と信頼関係や友情をより一層深めていけたらと思う。

(アジア太平洋研究科修士課程1年 堀 繭子)

(2005年10月13日掲載)

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First drafted 2005 October 13.



「活字の人」との出会い


 先日、『早稲田ウィークリー』を通じて衝撃的な出会いをした。6月23日付けのウィークリーに掲載された人に、会うことができたのだ。私は本紙を今年から愛読しており、本紙を読むことで、他の早稲田人たちがどのような活動をしているかということを垣間見ることができる。面白い活動をしている人の記事を見たら、「負けてはおられない」という気持ちになる。気持ちがなえかけている時には、強力なカンフル剤になる。

  ある時、何気なくウィークリーを読んでいた。すると、はっと、1つの記事に目が釘付けになった。読み終わった瞬間に「この人に会いたい! じかに話を聞いてみたい。」と強く思った。すぐに、早稲田ウィークリー編集室にメールし、ぜひ会いたいので連絡先を教えてほしいとの旨を伝えた。

  数日後、メールが届いた。「本人にその旨を伝えたところ、非常に喜んでくれ、ぜひ連絡してほしい」とのこと。これはラッキーだと思い、早速本人に連絡をし、会う日時を決めた。

  当日、大隈講堂前で待ち合わせをした。ただ会いたいという、勢いだけでここまできたのだが、やはり一度も顔を合わせていない人に会うというのは緊張するものだ。ドキドキしながら待っていると突然後ろから「君がアベ君?」という声が聞こえた。

  はっと後ろを振り向いた。一途に会いたいと思っていた人がいる。活字で出会った人と直接出会えた瞬間だ。その後1時間半ほど、西早稲田キャンバスのベンチで話をさせていただいた。記事通り、非常に勢いのある「アツい」人で、時間を経つのを忘れ、話に聞き入ってしまった。対談を終え、別れた後もしばらく興奮が冷めなかった。

  活字で出会った人に、直接会うことができたのも、本紙のおかげだ。

  ありがとう、早稲田ウィークリー!

(商学部2年 人間取材部 安倍 大資)

人間取材部では、学生、社会人、有名無名関係なく「この社会で同時代に生きている全ての人が対話の相手であり、教師でありうる」をモットーに「直接会って語る」活動をしています。興味のある方は次のアドレスまでどうぞ。
【E-mail】abenet888@yahoo.co.jp

(2005年9月29日掲載)

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First drafted 2005 September 29.